先月末から今月２日にかけて、多くの若者による同胞交流イベントが韓日はもとより、世界規模で開催された。今回は、先月２７～３０日に仁川で開かれた「２０２５世界韓人次世代大会」と、同３１～２日に東京韓国学校で開かれた「第２回Ｋ折り紙祭りハンマダン」を取材した。

アイデンティティー養う

　在外同胞庁（李相徳庁長）は仁川松島のコンベンシアで先月２７～３０日、「２０２５世界韓人次世代大会」を開催、世界２６カ国から参加した次世代を担う在外同胞リーダーたち６３人が４日間にわたり親睦を深めた。
今年のテーマは、「つながる世界中の韓国人、より大きな飛躍」。参加した各国の次世代リーダーたちは四つのグループ（Ａ‥社会・文化Ｂ‥未来・科学　Ｃ‥ビジネス　Ｄ‥法律・ビジネス）に分かれてディスカッションを行い、最終日に代表者が登壇して報告を行った。

■在外同胞が集う意義

在日同胞は５人が参加、全員がグループＡに入った。大会に参加した郭佳人・在日本大韓民国青年会中央本部副会長によると、グループＡでは世界各国の在外同胞が抱える問題について議論。次世代リーダーが果たすべき役割について話し合われた。

グループＡには、日本・米国・英国・アイルランド・エチオピアの在外同胞が集まった

　具体的には、（１）韓国で生まれ育った同胞とそうではない在外同胞の間に言語的な障壁がある点（２）首都圏以外では在外同胞のコミュニティーが少なく情報が得られない点（３）アフリカなどではそもそも在外同胞の人数自体が少ないため集まりを持つことが難しい点などの課題が挙げられたという。
郭副会長は、「各国から参加した次世代リーダーたちの間では『アイデンティティーを養うため、言語や文化の教育が大切』との認識が主流のようだった。最近の在日青年同胞の傾向からすると、アイデンティティーを養った後で本格的な韓国語の学習に向かうという友人・知人の方が多数派なので、順序が逆のように感じて興味深かった。各国の状況を共有することができ、改めて同胞が集まる意義を確認できる機会となった」としている。

　財団法人「紙文化財団・世界折り紙連合」（盧英惠理事長）と東京韓国学校（韓相美校長）、財団法人「紙文化財団・世界折り紙連合日本中央本部」（李勳雨本部長）は同校教室と講堂で先月３１～２日、「第２回Ｋ折り紙祭りハンマダン」を３日間にわたり開催した。
同校や韓国語土曜学校に通う生徒たち３４人と、同校の教員や民団関係者、保護者など７４人が集まり、韓日国交正常化６０周年を記念する行事として開催された。

■「Ｋ折り紙」で平和願う

今回は、１０年前に国交正常化５０周年を記念して開かれたイベントの第２回。韓日で伝統ある折り紙の文化を互いに共有し、子どもチームと大人チームの双方で大賞を目指し、作品に仕上げた。
最終日の２日、金永萬・同財団平生教育院Ｃ＆Ａアカデミー院長による指導のもと”Ａ４用紙のＫ折り紙で最も作りやすい紙飛行機”を製作し、参加者全員で一斉に空へと飛ばした。
盧理事長はイベント開催のために尽力した韓日の関係者や参席した来賓らに謝意を伝えながら、主催者としてあいさつした。「今回のイベントを通じて、Ｋ折り紙マスターの認定証を多くの在日同胞オリニたちに授与することができた。高句麗の僧・曇徴（タムジン）が日本に紙文化や技術を広めたように、古来から良好だった韓日文化交流の側面を忘れず、また韓半島の平和統一にＫ折り紙の文化が少しでも寄与することを願っている」と期待を込めて話した。
北韓の咸境北道で生まれ、２００８年に脱北した池香今・同財団京畿平澤松潭支部長は本紙の取材に対し、「韓国で暮らすようになり、娘が生まれてから初めてＫ折り紙の文化を知った。北韓では新聞紙を紙飛行機にするくらいしかできなかった。いつか北韓にＫ折り紙文化を持ち込み、オリニたちに情緒を育む体験をしてもらいたい。それが今の私の願い」と語った。

在日同胞のオリニたちと親世代がともに平和・統一への願いを込めた紙飛行機を飛ばす