社団法人「李承晩建国大統領記念事業会」の日本支会(韓在銀会長)が誕生した。韓国中央会館で10日、関係者約100人が集まり総会とフォーラムを執り行った。李承晩大統領とゆかりの深い米国についで、新たに日本の支会が結成された。
韓在銀氏が初代会長に就任
社団法人「李承晩建国大統領記念事業会」(金南洙会長)は韓国中央会館8階大ホールで10日、同会の「日本支会創立総会」を開催、来日した同会の関係者と在日同胞社会の関係者ら約100人が参加した。
第1部の総会では、はじめに李淳榮・李承晩建国大統領記念事業会日本支会事務局長による開会宣言、姜卿求牧師による祈祷の後、国民儀礼・国歌斉唱・黙とうを行った。
続いて、金会長からの任命杯の授与があり、韓在銀・同会日本支会会長と李事務局長に手渡された。
■日本支会創立の意義
韓会長は、韓国から訪れた多くの関係者に感謝を伝えながら、会長への就任あいさつを行った。「1948年8月に就任した李承晩建国大統領によって、韓国は自由民主主義を選択する基盤ができた。民団の綱領の第一条に”大韓民国の国是具現を期す”とある中での”国是”とは、紛れもなく”自由民主主義”を指しているのであり、それを守護するという全世界で唯一の使命を民団は担っている。いま本国の政局は国難を迎えており、第二の6・25戦争などと言われている。李承晩大統領の言に”一つになれば生き、ばらばらになれば死ぬ(ムンチミョン サルゴ、フットジミョン チュンヌンダ)”とあるように、私たちも協力して国難に立ち向かって行かなくてはいけない」と話した。
新たに日本支会の会長に任命された韓在銀氏が就任あいさつを行う
続いて、鄭雲燦・第40代国務総理/同会本部常任顧問団代表が激励辞に代えて「在日同胞と同伴成長」と題した記念講演を行った。
鄭代表は、「在日同胞は民族の痛みを共有できる同伴走者であり、他の在外同胞の中でも特別な位置を占めている。経済や文化の面だけでなく、多様な分野での共存・発展ができるように一緒に成長していける関係を作っていかなくてはならない」と強調した。
また、日本支会創立にあたっての来賓祝辞を姜昌萬・本紙発行人が述べた後、ソプラノ歌手の金幀・祥明大学教授による祝歌公演が行われた。
■フォーラムで活発な議論
第2部の「第26次トラストフォーラム」では、はじめに鄭代表が再登壇し、「建国大統領李承晩を再び考える」と題して講演、青年時代に李承晩大統領が著した『独立精神』(1904年)からのちの『ジャパン、インサイドアウト』(41年)まで、建国大統領として国家繁栄の礎を築いた事績について触れた。
鄭代表は、「李承晩博士は共産主義のすべてを否定したわけではなかったが、自由民主主義大韓民国の基礎をつくったという、誰にも否定できない業績がある。当時の欧米知識人の主流が共産主義であった点から、今日的な国際情勢の渦中にあっても、特別な存在である」とした。
また、文武一・同会事務総長が登壇し「奇跡の大韓民国」と題して講演。統一が志向されなくなった近年の傾向と、李承晩大統領の思想を対照させ論じた。
鄭代表と文事務総長の講演後には、在日同胞社会が独自に抱える朝総連などの敵対勢力との関係をめぐって、会場から二人に意見を求める声が上がった。
フォーラムに続いて、歌手のソ・スナム(徐守男)さんによる祝歌公演が行われた後で、韓国で公開されたばかりの李承晩大統領と朴正煕大統領を主人公にしたドキュメンタリー映画『ハボウマンの約束』(李長鎬監督)が上映された。今回のイベントのために来日した李監督は、「南北統一と自由民主主義を志向した二人の大統領が、現在の国民に啓蒙を与えてくれる点が大きいだろう」と、作品に込められた思いを伝えた。
さまざまな取り組みによって、日本支会での活動が今後活発になっていくことを期待したい。
韓国の歌手ソ・スナムさんの祝歌公演で会場は一体となった |