ウクライナ軍の戦線が崩壊しながらNATOもキーウ側の敗北状況を公開的に議論し始めた。
米国の援助が中断されることが確実になり、ウクライナの降伏と領土分割論が公に言われ始めた。北韓軍のクルクス参戦説が消えつつある。
ロシアに編入する領土のほか、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ルーマニアに領土割譲が話される。米国もウクライナ領土分割を検討しているという。
ウクライナ戦の即時停戦を公約したトランプ政権としては困った状況だ。米国は今年中に停戦を実現させるだけでも幸いだが、自ら領土拡張を宣言し始めた米国がロシアに停戦を求めるのもおかしい。
一方、ウクライナ側に平和協定を議論、署名できる合法的当事者もいないと指摘してきたロシアは急がず、西欧に消耗戦を強いている。
ウクライナに平和維持軍としてNATO軍を派兵するアイデアなどが出るが、米国の保証のない派兵に出る国はない。EUの国防委員らは、欧州のためウクライナ戦争は継続しなければならないと主張し、一部のNATO諸国は再軍備を急ぐが、現実的でない。ほぼ消滅した防衛産業を再建、兵力を訓練するには莫大な予算と10年以上の時間が必要だ。西欧は再武装に耐える経済力はあるのか。
NATOの将来の運命は米国の決定にかかっている。76年間、続いてきた西欧の集団安保に、ロシアを敵対した愚かな戦争の代価が待っている。 |