最近、20・30代の若者が尹錫悦大統領弾劾に必死に反対している中、全体的な支持率も46%以上に急上昇中であり、近日中に尹大統領の支持率は50%を上回るものとみられる。
尹大統領は司法試験に9回挑戦してようやく合格した根気強い性格で、52歳の晩婚で子どもがいないため賄賂など授受した案件は1件もない。また、卵焼き・キムチチゲを手作りする庶民的な姿から、国民的な人気を得ている。
これに対して、共に民主党代表の李在明は従北・親中左派で反米・反日を扇動し、日常茶飯事のように嘘を繰り返す前科4犯であり、莫大な賄賂を受け取って言論、法曹人を買収した政治屋・詐欺師の誤魔化しが発覚し、愛国市民が立ち上がったのだ。
また”狂牛病扇動、サード会談あるいはサード有害電磁波会談、福島処理水を汚染水と偽り反米・反日を唆してきた従北左派、破廉恥犯らは皆、北韓へ強制送還させなければならない”という国民世論が広がっている。民主党は「福島汚染水」虚偽扇動に1兆5000億ウォンという莫大な資金を無駄使いした。
尹大統領が戒厳令を宣布した理由は、不正選挙で国会を独占した巨大野党の国会独裁と、国政マヒ事態及び反国家勢力の清算にある。民主党は国益のための事業予算を全額削減または減額してしまった。
国民が怒らざるを得ないのは、国会議員の年俸を1億6000万ウォンに引き上げたことだ。国益のための予算は削減し、自分たちの懐だけを肥やしたのだ。野党は対北送金など、李在明を捜査する5人の担当検事を弾劾した。文在寅と朴槿惠政権による弾劾の試みは1・2件に過ぎない。ところが、李在明の民主党が行った弾劾だけで22回である。これは国家行政府を麻痺させ、司法府を無力化しようとする徹底した反国家・内乱行為だ。
さらに、文在寅は国家情報院を解体して本来の役割を果たせずにいるため、与党がスパイ防止法を強化しようとしたが、民主党がこれに反対している。民主党は大統領、総理、監査院長をはじめとし、自分たちの犯罪行為を捜査する検事まで弾劾、議会独裁を行っている。
さらに看過できないのは李在明の対北送金を偽証唆し、選挙法違反、新都市開発特恵収賄など検察の捜査活動を最初からできないように遮断した。
筆者は昨年5月15日、本紙のコラムで「尹錫悦大統領が李在明代表と文在寅を拘束、処罰しなければ、むしろ詐欺弾劾に遭う恐れがある」と指摘した。その6カ月後、尹大統領は本当に詐欺弾劾に遭うことになった。韓国料理が好きな日本の友人たちは「韓国料理はキムチやチゲ、コチュジャンなど刺激的な辛さが口を虜にする」と言っている。
ちなみに、韓国人の政治情緒は辛さと強いリーダーシップを発揮する指導者たちが支持を得る政治風土だ。反骨気質の強い韓国人は歴代大統領を亡命、暗殺、収監、自殺に追い込んだ前例が目立つ。
歴代政権は国民の厳しい世論を受け入れなければ、政権を維持することはできない。
前政権の不正腐敗を厳しく審判する強力な政権だけが、国民の支持を得て政権基盤を堅固にすることができる。しかし、尹政権は野党からあらゆる非難を浴び、足を引っ張られながらも何の措置もとらなかったのだ。したがって、尹政権の優柔不断に対して支持層が背を向け、戒厳令宣布直前には支持率が10%台まで下落した。
昨年の4・10総選挙で尹政権が過半数を獲得できなかったのは、露骨な不正選挙が根本的な原因だが、歴代最悪の失政を犯した文在寅と不正腐敗・前科4犯の李在明を拘束、処罰しなかったことに対する支持層の不満表明とみられる。
台湾やフランスのように事前投票なしに開票を手作業で行っていたら、執権与党が過半数を獲得していただろう。尹大統領は「大韓民国営業社員第1号」を名乗り、国内外を駆け回り、過労で鼻血まで流しながら最善を尽くした。
また、義母まで法廷拘束するほど法と正義を実践に移す決断を示した。このため、国民は尹大統領を「正義の使者・男前」と熱烈に支持した。
遅ればせながら、尹大統領が政治的な冒険を甘受して戒厳令を宣布した決断は、自由大韓民国を再生させることができる大きなターニングポイントになることは間違いない。
高永喆(コ・ヨンチョル)
拓殖大学客員教授、韓国統一振興院専任教授、元国防省分析官。著書に『国家情報戦略』(佐藤優共著、講談社)、『金正恩が脱北する日』(扶桑社)など。 |