世界を驚かせた深夜の非常戒厳令(3日)。国会の解除決議に尹錫悦大統領が屈服するや、政変はもはや一寸先も見えない内戦状況に陥った。メディアの報道に敏感な検察と警察は今回の戒厳事態を内乱犯罪と規定、競争的に捜査に着手した。検察は、金龍顕前国防長官に対する逮捕令状に尹大統領を内乱犯の被疑者と摘示、警察は尹大統領の緊急逮捕まで検討するという。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は、尹大統領の出国禁止措置をとり、検察・警察に対し捜査移牒権を発動した。公職社会は麻痺状態で、与野党はもちろん、世論も二分され、相互に物理的衝突も辞さない雰囲気だ。
不正選挙の公論化阻止に必死の野党と言論
最小限の良識もない全体主義の狂気が野党を支配している。李在明党は、尹大統領が弾劾されるまで毎週臨時国会を開き、弾劾訴追案を上程し続けるという。検察と警察は今回の非常戒厳事態を主導、参加した人々を無条件に内乱犯にしている。体制崩壊に向かう今の内戦状況は6・25戦争休戦後最悪の安保危機だ。
検・警・公捜処はメディアの報道に合わせて尹大統領を内乱疑いの被疑者と規定した。前国防長官の執務室など広範な家宅捜索をした警察が憲政史に例のない大統領の緊急逮捕に出る場合は、大統領警護室と物理的衝突は必至だ。尹大統領の出国禁止措置を取った公捜処は、検・警に捜査移牒を要求した。状況は刻一刻変化している。
検事出身の尹大統領は8年前の朴槿惠大統領のように無力に屈辱を受けるだろうか。朴槿惠大統領の失脚当時と状況が違う点は、まずメディアの扇動報道が以前のように効かない。第二に大統領弾劾に反対する憲政守護勢力が少なくないこと。第三に誰が裏切り者や日和見なのかがほとんど浮かび上がってきたことだ。
韓国の内戦構図が確実になった。国会を独裁化した李在明党は、主要公職者を皆弾劾すると脅し、大統領弾劾時の権限代行の韓悳洙国務総理も内乱罪で告発、弾劾して政府を崩壊させると言い放った。
今回の尹政権の失態は、国民に多くの失望、挫折を与えた。国軍の指揮体系は崩壊状態だ。国情院の第1次長の洪壯源など李在明党側と内通してきた検・警・軍の内部の多くの灰色分子が判明した。尹政権が左翼積弊を全く清算しなかったことが分かる。
尹大統領を無力化するため李在明と組んだ与党代表の韓東勳の裏切りは特に衝撃だ。韓東勳はなぜ、このように行動できるのか。弾劾表決が否決後、尹大統領の退陣まで職務排除をし、韓悳洙総理が党と緊密に協議、民主党とも十分意見を交わすとまで言った。党内外から激しい批判が噴出した。禹元植国会議長と李在明まで、韓東勳に誰がそういう権限を与えたのかと叱責したほどだ。韓東勳は長い間、実体を隠し尹政権の失敗を誘導する世論操作工作をしてきたことも露呈した。「国民の力」議員総会は9日、指導部を総辞退させ、緊急対策委員会体制を取ることにした。これで「韓東勳系」は空中分解するはずだ。
朴槿惠弾劾の教訓を通じて成長した右派が、今回の内戦で体制守護の前衛となっている。大学教授6300人ほどが会員の「社会正義を望む全国教授会」は6日、緊急声明書を発表、混乱に陥った国民に方向性を提示した。大学生の中からも非常戒厳宣布が内乱罪にならないとの主張も出た。
犯罪人(李在明)が大統領になるため政府機能を麻痺させることこそが内乱罪で、これを鎮圧する非常戒厳は、大統領の正当な権限行使という主張が広がり、支持を得ている。メディアの狂信的な扇動報道にもかかわらず、今回の戒厳令を招いたのは、壊れた3権分立、司法部の堕落、国会の腐敗だったという指摘が世論の支持を受けている。
右派は街頭闘争と行動力、動員力で左派を圧倒している。尹大統領を無理やり内乱犯にする左派と日和見主義勢力を徹底告発。今回の内戦は、左傾化へ走ってきた第6共和国37年間の葛藤と緊張が爆発したものだ。法院も冷静に対応している。世論裁判を警戒、非常戒厳発令自体を内乱罪とする主張を排斥している。
尹大統領にとって不正選挙糾明は最強の反撃カードだ。大法院が選管委と共謀して選挙検証を妨害する状況で、選挙過程を検証するための戒厳令を内乱と言えるはずがない。選挙に北韓側の介入があったかを確かめることは当然だ。この検証を拒否する方こそ内乱犯だ。非常戒厳の目的だった不正選挙問題が公論化し、不正選挙の実体を露わにすることは反逆勢力の内乱を鎮圧する突破口になれる。
尹大統領が就任直後から不正選挙を捜査したら、今回の悪夢を防げたはずだ。いずれにせよ、大韓民国は刑事事件の被疑者、法院が有罪を認めた犯罪人が大統領になってはならない。
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