尹錫悦大統領は3日22時半過ぎ、緊急のテレビ演説を行い、国会での野党の行為について「内乱を企てる明白な反国家行為だ」と指弾。「非常戒厳を宣布する」と表明した。
それを受けて発足した「戒厳司令部」は同日、「国会と地方議会、全ての政党活動と集会、デモを禁じる」との布告を出した。しかし、韓国国会は4日未明に本会議を開き、議員300人のうち190人が出席して解除要求決議を採決し、全員の賛成で可決した。戒厳令は約2時間半で、効力を失った。
尹氏は4日午前4時半ごろ、「憲政秩序を崩壊させる反国家勢力に立ち向かう救国の意志で非常戒厳を宣布したが、国会から戒厳令解除の要求があったため軍を撤収させた」との談話を出し、閣議を開いて正式に戒厳令を解除した。これに対し、野党共に民主党などの議員らは大統領の弾劾を呼びかけている。野党議員らは、弾劾法案を4日中に提出し、72時間以内に採決する考えを示した。
「非常戒厳」の宣布は1979年以来、45年ぶり。なお、大統領室長以下の首席秘書官らは全員辞意を表明した。
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