韓国のバイオスタート
アップ8社が日本進出
2024年9月、韓国のバイオスタートアップ8社が神奈川県藤沢市の健康・医療分野の研究開発拠点「湘南ヘルスイノベーションパーク(通称・湘南アイパーク)」に入居し、日本での事業活動を開始した。
湘南アイパークは武田薬品工業の研究所を外部に開放して誕生したライフサイエンスの研究開発拠点で、武田薬品、三菱商事などが出資するアイパークインスティチュート株式会社が運営している。湘南アイパークには24年9月現在、幅広い業種と規模の産官学の関係組織(約190社・団体)が結集して、バイオ・ヘルス研究開発のエコシステムを形成している。
湘南アイパーク施設に入居した韓国バイオスタートアップは、CEFObio(セポバイオ)、CUePEAK BIO(キューピークバイオ)、IPSBIO(アイピーエスバイオ)、Markherz(マークヘルツ)、ORGANOIDSCIENCES(オルガノイドサイエンシズ)、RE―CODE(リコード)、YiPSCELL(イップセル)、Youth Bio Global(ユースバイオグローバル)の8社。韓国スタートアップ企業は、アイパークインスティチュートと韓国中小ベンチャー企業部の支援を受け、日本の製薬企業やバイオベンチャーとの協業を通じて早期の事業化を目指す。
バイオスタートアップ支
援で韓国政府機関と連携
アイパークインスティチュートは、韓日の先端バイオ分野の成長促進を目的として、23年11月に韓国の行政機関である中小ベンチャー企業部(本部・世宗特別市)と韓国の先端バイオ産業(細胞治療・遺伝子治療・再生医療)のスタートアップ育成支援などで業務協約を締結した。
その一環で、両機関が共同で選抜した韓国のバイオスタートアップ8社が今回、湘南アイパークに入居したのである。
中小ベンチャー企業部は韓国のバイオスタートアップに対して、日本での事業資金の支援、アイパークインスティチュートは研究施設や機器の利用などで研究開発を支援し、バイオスタートアップのインキュベーション(事業孵化)を進めている。
五松先端医療産業支援
財団ともタッグを組む
アイパークインスティチュートでは、24年1月に韓国の保健福祉部傘下の五松(オソン)先端医療産業支援財団(本部・忠清北道清州市)と協定を結び、双方の施設内に活動拠点を設置するなど、バイオ・ヘルス産業分野の人材交流と事業連携に取り組んでいる。
具体的には、韓日双方のバイオベンチャー企業、VC(ベンチャーキャピタル)とのネットワーク構築、バイオベンチャーに対する研究サポートなどを行い、五松先端医療産業支援財団(KBIOHealth)は湘南アイパークに日本事務所、アイパークインスティチュートは、韓国忠清北道のKBIOHealth施設内に韓国事務所をそれぞれ設立。韓日のバイオ・アライアンスの基礎づくりを進めている。
このように、アイパークインスティチュートと韓国の中小ベンチャー企業部、五松先端医療産業支援財団との重層的な連携により、韓国と日本のバイオ・ヘルス産業のスタートアップ支援と韓日エコシステムの形成が加速している。
ライフサイエンス事業での韓日連携を強化し、アジアから世界に向けたイノベーション・ハブをつくるべく韓日協業に拍車がかかっている。 |