「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は10月19日、都内で講演会「北朝鮮統一政策の放棄と朝鮮総連の動き」を開き、20人が参加した。
北韓の人権状況改善を目指すFree2Move共同代表の洪敬義氏と、コリア国際研究所所長の朴斗鎮氏が講師となった。
洪氏は朝総連の専従活動家として20年以上働いてきた。主に在日朝鮮人の人権保障と権利獲得活動に従事してきたが、朝総連組織内の民主化を求めて活動したことによって除名処分を受けた。
北韓本国が朝総連に通達した韓国、民団を敵視した指令に対し、「驚いて混乱し、7月に開催した中央委員会第25期第3回会議で、修正して採択した」と最新の朝総連の動きを報告した。「専従職員への給与の遅配も起こっているようだ」と組織内部の事情を明らかにし、「朝鮮学校の統廃合を進めて、売却益を得ようとしている」と組織の財政悪化を伝えた。
朴氏は金大中大統領以降の太陽政策について「間違っていた」と明言。北韓が統一方針を放棄したことについて「祖父と父を切り捨てても、自らの保身だけは図りたいのだろう」と金正恩総書記の思惑を推測。
質疑応答では「対韓国政策転換は何が狙いなのか」という質問がされた。これに対し洪氏は「韓流ドラマやKポップの流入が進み、韓国との交流は失うものが大きいと判断したのだろう」と分析した。
「北韓からの韓国、民団を敵視する指令に対して今後、朝総連はどう対処していくのか」との問いに対し朴氏は「本国の奴隷組織なので拒否はできない。『はい』と受け入れておいて実行はしないだろう」と面従背腹を貫くとみている。
講演の様子 |