東京・豊島区のサンシャイン劇場で5~13日、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ主催のミュージカル『燃ゆる暗闇にて』を上演。
原作は、スペインの作家アントニオ・ブエロ・バリェホ(1916~2000)の同名戯曲。1946年、盲目性を通じて権力の問題を可視化した同氏の処女作に当たる(初上演は1950年12月、マドリードのマリア・ゲレーロ劇場)。
昨年、韓国で世界初となるミュージカル化を果たし、ダンスと歌を加えた演出で118回の公演を行い、多くの観客を魅了した。
作品の舞台は全寮制の特別支援学校。視覚障害を持つ生徒たちは、構造を知り尽くした学校の中では目が見える人と同じように生活することが出来る。そのような環境を受け入れ、学校生活に疑問を抱くことのなかった生徒たちの前に、白杖を手放さない異色の転校生・イグナシオが現れ、物語は幕を開ける―。
学校の方針や教育を信じて疑わない優等生タイプのカルロスと、周囲の生徒たちを虜にしていくイグナシオは激しく対立。2人の関係に、決定的な終止符が打たれるクライマックスまでの展開は圧巻の一言に尽きる。
目が見えないとはどういうことなのか、社会や既存のシステムに対する盲目的な過信への疑問を、同作は投げかける。
韓国ミュージカルらしい、楽しいだけではないメッセージ性のある作品。
社会的弱者の〝視点〟を通じた深いメッセージ性のある作品(エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ提供) |