最近、中国人が韓国の健康保険システムを悪用するケースが多発している。今年、韓国人の被扶養者として登録され、健康保険料を払わずにその恩恵を享受している中国人は11万人に上る。また、中国人が不正な手段で健康保険の適用を受けた金額は18億ウォンに達する。
韓国の福祉システムに対する信頼を揺るがす問題として、早急な対策を求める声が高まっている。国民健康保険公団の資料によると、今年8月現在、韓国に居住する中国人の健康保険被扶養者は10万9414人。彼らは韓国の制度的な抜け穴を悪用し恩恵を受けていることが判明している。
国会立法調査処の資料によると昨年、中国人に課された健康保険料は8103億ウォンだったが、支給額は8743億ウォンに上り640億ウォンの赤字を記録。中国人以外で韓国の健康保険の恩恵を受けた外国人は、ベトナム人(2万1336人)、ウズベキスタン人(8696人)、米国人(6461人)の順だった。外国人に対する不正な財政負担は韓国の健康保険システムにとってリスクファクターだ。中国人がSNSなどを通じて、韓国の健康保険システムを悪用する「ヒント」を共有し、不正受給を助長しているケースもみられる。こうした外国人による不正な公金受給を防ぐため、政府は今年4月、被扶養者として登録できる条件を滞在期間6カ月以上とすべく健康保険法を改定したが、実質的な効果はさほど見られない。それは、外国人の配偶者や未成年の子どもの場合、現在も入国後すぐに被扶養者の資格を有することができ、韓国の医療福祉に「ただ乗り」できるからだ。
一方、中国の医療保障制度には被扶養者制度が存在せず、韓国人は恩恵を受けることができずにいる。この件についても、国家間の相互主義の原則を適用するか、制度の抜け穴を補完し国家財政の損失を防ぐべきだという声が上がっている。 |