ドンバス戦線が全面崩壊している中、キーウ側がロシア深部の弾薬庫を攻撃した。NATOの全面支援なしでは不可能な作戦だ。ゼレンスキーは、ドンバス戦線の総崩壊が差し迫ったのに、必死に「勝利計画」を主張し米国を訪問、NATOの全面支援を求めている。欧州議会は米・英の態度を見ながらウクライナ戦争の継続を決議した。一方、ロシアは非友好国に対する戦略物資の輸出を禁止する措置をとり始め、ロシアの価値と矛盾するネオリベラル性向の破壊的態度を示している47カ国のリストを発表した。トランプ前大統領がロシアに対する制裁解除を公約、米大統領選挙の前に世界大戦に向けた緊張が高まっている。
ゼレンスキーは、米国に到着し、ニューヨーカーとのインタビューで、クルスク州侵攻で西側のパートナーたちにウクライナが何ができるのかを見せたと話した。ゼレンスキーは勝利計画の一部がクルスク攻撃を含むものだと、動揺しながら語ったが、クルスクは大失敗だった。
クルスクを攻撃すれば、ロシア軍がドンバスの兵力を削減するとの判断は誤ったものだった。軍事専門家たちは、現在もクルスクに2万人の兵力が閉じ込められていると見ている。ゼレンスキーとNATOが長く共謀したクルスク侵攻の兵力は3~4万人くらいと推定される。
ロシア軍はこれまでクルスクで1万6400人のキーウ軍を射殺したと発表した。クルスクで破壊される装備はNATOの武器展示場を彷彿とさせる。NATO側のロシアの武器庫攻撃は戦況を変えられない。これまで破壊したロシアの弾薬量はロシア軍の2日分の消費量に過ぎない。
バイデン大統領が事実上、無力化・幽閉されている中、アントニー・ブリンケン米国務長官とデビッド・ラミー英国外務長官は、キーウの長距離ミサイル使用制限の解除を暗示した。これは、NATOが直接ロシア本土を攻撃することを意味する。欧州議会は、西側が提供した武器でキーウがロシアの奥深い所を攻撃することを許可し、凍結したロシア資産を没収し、キーウの戦争努力に資金を支援するよう促す決議案を採択(賛成425票、反対121票、棄権63票)した。決議案は、不十分な弾薬供給と使用制限のため、これまでの努力が水泡に帰すと主張した。一方、欧州連合は、自分たちは紛争の当事者にならないと主張。西欧はウクライナをゲームの道具として使っている。
エストニア国防長官は、ロシアとの国境にNATO軍の基地が建設されたと発表した。これに対して、バチェスラフ・ボローディン国家ドゥマ(下院)議長が強力に警告した。欧州連合が西側武器を利用したキーウのロシア領土の縦深打撃を許せば、ロシアはRS28サルマット大陸間弾道弾があると話した。サルマットは3分20秒で欧州議会があるストラスブールを攻撃できると警告した。
NATO(EU)は失敗した彼らの対ロシア制裁戦略を修正しようとしない。対ロシア戦争準備も現実性がない。防空能力すらない。
プーチン大統領は先月、ロシアの伝統的価値を共有し、自国政府のネオリベラル議題に同意しない外国人が居住許可(亡命)を申請できるようにする法令に署名した。ロシア総理は、伝統的なロシアの精神的・道徳的価値と矛盾する破壊的なネオリベラル態度を強制する政策を施行する47カ国のリストを発表した。EU国家の中ではスロバキアとハンガリーが抜け、NATO国家ではテュルキエが抜けた。アジア太平洋地域では、韓国、日本、シンガポール、台湾、豪州、ニュージーランド、ミクロネシアが含まれている。リストにある国々は、敵対行為によってロシアの外交的、経済的対応措置が発動する。
ロシアのマリア・ザハロワ外交部代弁人は11日、韓国が反ロシア輸出統制パッケージを再び一方的に発効したと指摘した。彼女は韓国が取った今回と前回の制裁措置の不法性をもう一度強調すると言い、韓国の措置はロシアとの貿易、経済協力をさらに萎縮させるだろうと話した。また、これは両国関係が維持可能な実質分野の協力を妨げ、ロシアを離れた韓国企業が今後、ロシア市場に戻るのをさらに難しくすることに疑いの余地がないと警告、韓国政府が、自国の利益の優先順位と国際法に従って自主的に行動するよう促した。
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