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最終更新日: 2024-11-19 12:39:03
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2024年09月17日 11:00
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建国記念日に北韓が不穏な動き
ミサイル発射と軍備増強を誇示

 北韓で8、9日に建国記念日の祝賀行事が行われ、訪朝している朝総連祝賀団や朝鮮大学校学生らも加わり祝意を表した。9日には金正恩総書記が演説し、軍備増強の意思を表した。12日午前には短距離弾道ミサイルを発射。自らの指導力を誇示するとともに、韓日米を牽制するかのような不穏な動きをみせている。
朝総連の機関紙「朝鮮新報」によると、8日には金日成広場で慶祝集会と夜会、9日には万寿台議事堂前で慶祝公演が行われた。両行事には訪朝中の総連東京の高徳羽委員長を団長とする6人の祝賀団と、朝鮮大学校の訪朝団が招待された。
8日の慶祝集会と夜会には、朝鮮労働党と政府幹部とともに、高徳羽委員長が幹部壇に登壇。広場での青年学生の夜会では、朝鮮大学校学生が踊りの輪に加わった。
9日には金正恩総書記が演説を行った。朝鮮中央通信によると、「我が国は責任ある核保有国だ」と明言。米国が核を含む戦力で韓国や日本を守る拡大抑止を強化していることを「重大な脅威」と指摘し、「核戦力を絶えず強化し、すべての武力を完全な戦闘準備態勢に置くための対策と努力を倍加する」と語り、「核兵器を不断に強化していく」と、核保有国として韓日米など、国際社会と対峙していく立場を鮮明にした。
また、洪水被害についても触れ、「国家的な事業に支障をきたした」と言及。演説の多くを地方発展政策にも費やした。
12日朝には、北韓が平壌付近から韓半島東側の東海上に向けて数発の短距離弾道ミサイルを発射した。北韓が弾道ミサイルを発射したのは7月1日以来、約2カ月ぶり。
一連の慌ただしい動きについて、さまざま分析がなされている。
金総書記の演説について韓国統一省は、洪水被害による民心の動揺を収め、成果を強調する狙いがあると分析している。同省関係者は「建国記念日に総書記が演説したことはなく、今回が初めてで異例」とし、「過去2年間は9月に開かれる最高人民会議を機に演説をしていたが、今年は開催されないため、建国記念日に合わせたのだろう」と推論する。「災害を克服しようとする指導者像を強調する意図がある」と見込んでいる。
ミサイル発射について北韓ウオッチャーの一人は、7月末に発生した北韓平安北道と慈江道での洪水被害が影響しているとみている。被害の責任を問われ、多数の幹部が処刑されたと韓国国家情報院が推測しているが、前出の北韓ウオッチャーは「軍高官施設が被害を受けたことで、厳しく責任を問われたようだ」とし、「国内の目を外へ逸らすために、ミサイルを発射したのではないか」と推察している。
北韓は朝総連に対し、統一関連活動をすべて中止し、韓国人との関係も完全に遮断するよう指示している。訪朝している総連祝賀団と朝鮮大学校学生に対して「新たな指示を徹底させるのだろう」(北韓ウオッチャー)とみている。とくに朝総連については、「それまでの組織が解体され、内部が刷新されたようだ」(同)としている。
北東アジアの不安定要因である北韓の動きから目が離せない。

2024-09-18 4面
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