１１月の米大統領選挙が国際秩序の再編をさらに触発すると予想される中、トランプ前米大統領がニューヨークで５日（現地時間）、大統領選挙で勝利すれば、ロシアに対する制裁を大幅に縮小すると話した。ニューヨーク経済クラブでの演説の際、ロシアや他の国々に対する米国の経済制裁を強化するかどうかについての質問に対してそう答えた。
トランプは制裁をできるだけ自制したいと言い、米国がそのような懲罰に広く依存するのは問題があると述べた。彼は制裁が米ドルやドルが象徴するすべてを殺していると語った。トランプは、ドルが国際基軸通貨として残ることが重要で、米国が国際基軸通貨としてのドルを失えば、戦争で負けたも同然と話した。
在任中、ロシア、イラン、北韓などに多様な制裁を加えたトランプ大統領は、制裁を解除してその国々を米国の経済圏に編入するように誘導せねばならず、中国の強力な人民元の登場を防ぐべきだとも述べた。
トランプのこの制裁縮小方針発言は、プーチン・ロシア大統領の東方経済フォーラムでの発言後に出たものだ。プーチン大統領は、トランプほどロシアに多くの制限と制裁を加えた米国大統領はいなかったと述べた。メドベージェフ元ロシア大統領は、米大統領選挙で誰が勝利しても、ロシアに対する広範な制裁は維持されると述べた。メドベージェフは、トランプの発言がロシアに対する制裁解除の意味ではなく、米国は滅びるまでロシアと敵対すると述べた。
グローバル全体主義勢力はロシアとの戦争持続を求めている。カマラ・ハリス支持を宣言した共和党内のネオコンをはじめ、英国など多数のＮＡＴＯ諸国がロシアとの戦争準備に着手している。オランダも解体（２０１１年）した機甲部隊を再創設する。ただ、ドイツなどの武器生産能力の再建には多くの時間と資金がかかる。
ロシアは、ロシア本土を攻撃したＮＡＴＯとキーウ側を強力に膺懲している。ロシア軍は３日、ミサイルでポルタバの軍事学校、ＮＡＴＯ４カ国の傭兵などを攻撃した。Ｆ１６の作戦を支援する早期警報機の提供を推進してきたスウェーデンが多くの死傷者を出した。この被害のためかＮＡＴＯ加入を実現したスウェーデンの外務長官が辞任した。ＢＲＩＣＳ加入を公式化したテュルキエのＮＡＴＯ脱退の可否が注目される。