フランス・パリで開かれていた第33回夏季五輪は11日(日本時間12日)に閉幕した。260カ国・地域の約1万500人の選手が参加。韓国からも144選手が22競技に出場。監督やコーチ118人を合わせ、選手団は262人となった。
ハンドボール女子を除く団体球技の不振により、韓国選手団は1976年のモントリオール大会以降の夏季五輪では最少規模だった。韓国は金メダル5個以上、総合順位15位以内を目標としたが、金13、銀9、銅10で8位と、予想を上回る好成績を挙げた。
在日同胞からは、柔道女子57キロ級の許海実、同63キロ級の金知秀と、共に3世の2選手が出場。とくに許選手は決勝まで勝ち進み、銀メダルに輝いた。また、2選手とも混合団体戦にも出場して3位となり、銅メダル獲得に貢献した。在日同胞選手で銀メダルを獲得したのは、1972年ミュンヘン五輪柔道の呉勝立氏以来。女子選手の五輪メダリストは初となる。
許選手は2002年、東京都江戸川区生まれ。父は韓国籍、母は日本国籍。祖母は民団江戸川支部婦人会長を務めた。祖先に独立運動家の許碩氏がいる。
祖母の生前の願いだった「韓国代表として五輪に出場してほしい」との遺言を胸に、21年に日本国籍を離脱。22年から慶尚北道体育会に所属している。
許選手の偉業に在日本大韓体育会の宋栄奉会長は「すべての在日同胞と歓びを共にしたいと思う。日本で生まれ、育った在日同胞3世が韓国人としての誇りを持ち続け、国家代表として鍛錬を積み重ね、持てる力を存分に発揮し、栄光をつかんだことに心から敬意を表する」とコメントしている。
柔道女子57キロ級に出場し、決勝まで勝ち進んだ在日同胞3世の許海実選手。祖先の独立運動家、許碩氏の記念碑前で銀メダルと銅メダルを掲げる
3位決定戦で銅メダルを獲得した柔道混合団体代表チーム。在日同胞の許海実、金知秀の両選手も勝利に貢献した
テコンドー男子58キロ級で韓国に同種目初の五輪金メダルをもたらした朴泰俊選手(左)
韓国選手として28年ぶりにバドミントン女子シングルスの五輪金メダルを勝ちとった安洗塋選手
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