在日本大韓民国民団大阪本部(金明弘団長)は先月14日、同本部5階大ホールで脱北者人権セミナーを開催、300人が参加した。
崔在勲・アムネスティインターナショナル韓国/北朝鮮人権問題担当と、現在はNorth Korea Watch事務総長を務める安明哲氏の両氏が講演し、闇に包まれた北韓の人権危機を報告した。
北韓の金正恩政権が韓国を第1の敵国とみなし、戦争も辞さないと表明したことから、韓半島情勢はさらに緊迫化、人権問題の闇も一段と深刻化していると見られている。
安明哲氏は1987年から94年まで、北韓の国家保安部第7局が管理する政治犯収容所の警備兵として勤務。韓国への亡命を認められた94年10月、母・弟・妹らが北韓当局によって強制的に失踪。家族は政治犯収容所に収監され、今日に至るまで生死を確認する術もないという。
崔在勲氏は、1960年代から北韓の人権侵害をなくすために、アムネスティによる救護活動やさまざまなキャンペーンを行ってきたと報告。国連人権理事会に提出した人権レポートにも言及し、国際社会に求められている役割や、韓国や日本に何ができるのかを提起した。
アムネスティ・インターナショナル韓国の北韓人権問題担当、また韓国国家人権委員会北韓人権委員会の専門委員も務める崔在勲氏は、過去10年間で500人以上の脱北者に詳細なインタビューを行い、北韓の人権侵害をまとめた経験を持つ。北韓における人権意識の変遷や収容施設における人権状況の変化に詳しい。
なお、アムネスティの韓国支部は2022年に約60人の脱北者からの証言をまとめた『60+Voices』を出版している。(大阪=韓登)
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