与野党ともに党代表を選出中の韓国政局が混迷している。左翼野党の李在明党は、党代表連任に出た李在明が右折政策を発表しても圧倒的な支持を受けている。反面、与党(国民の力)は、尹大統領への謀反(クーデター)を決断し、党代表選に出馬した韓東勳前法務長官のため、党が分裂状態に陥った。
国会では絶対多数議席の李在明党が、与党を排除し重要法案を一方的に処理している。法司委(鄭清来委員長)は19日、尹大統領弾劾請願聴聞会を始めた。与党の無力な様子に怒った保守有権者たちが、共に民主党の解散署名や鄭清来法司委員長の国会議員職解任請願署名運動を展開。鄭清来解任請願はわずか4日間で6万人が署名した。
この状況で野党の尹大統領夫人特検法の発議を前に、検察(ソウル中央地検)が先週末(20日午後)、尹大統領夫人の金建希女史を「ブランドバッグ収受疑惑」と「ドイツモーターズ株価操作疑惑」と関連して召喚調査した。メディアの報道によると、ソウル中央地検の反腐敗捜査2部(崔宰熏部長)と刑事1部(金昇鎬部長)は、金夫人を大統領警護処の保安施設で21日まで約12時間調査したという。
史上初めての現職大統領夫人に対する調査は、李沅石検察総長と大検察庁には事前に報告されず、調査が終わるころ、李昌洙ソウル地検長が電話で検察総長に報告したという。激怒した検察総長は「原則を守らない金女史調査」について国民に謝罪を表明した。検察が分裂し、この事態を伝える主要メディアの反応も分かれている。
与党内の韓東勳支持グループは特検に賛成し、早期の大統領選挙を言い出しているそうだ。尹大統領が韓東勳などの党内謀反を制圧しても、与党議席の10分の1だけが李在明党に同調すれば弾劾訴追が通過する。国会で弾劾訴追が通れば、大統領の権限は停止する。
結局、尹大統領は最悪の状況を免れるためには与党ではなく李在明党に協力を求めるしかない。任期末に支持率12%に陥った盧武鉉大統領は、野党に大連政を提案した。 |