大統領選挙がわずか16週後に迫った米国で、ウクライナ戦争の即時解決を公約したトランプ前大統領に対する銃撃テロ(現地時刻13日)が起きた。奇跡的に暗殺を免れたトランプ氏は2日後、共和党大会で大統領候補として正式選出された。彼は、副大統領候補に『ヒルビリーエレジー』(小説と映画)で有名なJDバンス上院議員(39歳)を指名。トランプ氏が当選すれば、世界秩序、アジアへの拡張を図るNATO体制が決定的な打撃を受ける。NATO拡張の執拗な対象となっている日韓にとって、今回の米大統領選挙は歴史的な転機になりそうだ。
トランプ候補に対する暗殺の試みと関連した一連の事態は、内戦中の米国がもはや世界に向けて民主主義を語る資格のない国家であることを示した。まず、バイデン政権の警護当局と司法機関は信じられないほど杜撰な姿を露呈した。トランプ前大統領暗殺は失敗したが、杜撰な警護・安全措置は、2年前の安倍元総理暗殺事件を彷彿させた。
秘密警護局は、狙撃犯が屋根に上がったことを把握しても対応せず、発砲するまで待っていたかのように見えたほどだ。秘密警護局の事件後の声明にも「暗殺」「銃撃」「テロ」などの表現はない。トランプの除去(暗殺)を望み幇助したのではないかとの指摘と非難が噴出している。
能力に関係なく秘密警護員の30%を女性にすると、ホワイトハウスの秘密警護局長は言い放っている。
銃撃テロ犯は現場で射殺されたが、事後措置も常識的には納得できない。テロ発生の5日前に「トランプを的の中央に置かねばならない」と発言した現職大統領のバイデンは、自分の発言が単純ミスだと言い謝罪もしなかった。
バイデン政権は、トランプ暗殺の試みを縮小しようとしている。FBIはトーマス・クルスの単独犯行とする方向に急いでいるようにみえる。
61年前の、ケネディ大統領暗殺書件と似ている。FBIは、米民主党が捏造したいわゆる「トランプ・ロシア内通スキャンダル」の操作に加担した組織だ。秘密警護局など米国のシステムを堕落させたのは民主党だ。暗殺されたケネディ元大統領の甥であるロバート・ケネディ・ジュニアは、自分の叔父はCIAが殺したと主張する。米当局は、今回の大統領選挙に無所属で出馬した彼に対する警護も拒否した。
多くの民主党員などのトランプ憎悪の雰囲気は変わらず、現在もトランプを除去せねばならないと主張している。多くの主流メディアの報道も「暗殺」という用語すら極力避け、依然としてトランプを非難する論調だ。「暗殺」という言葉を避けるようにとのメディア報道指針があるという。検閲とプロパガンダが広く機能しているのだ。
いずれにせよ今、全国的な世論はトランプが絶対的に有利だ。民主党員さえトランプの強力なリーダーシップを尊敬するほどだ。連邦裁判所は、トランプの国家機密流出疑いの訴訟を棄却。だが、バイデン側は如何なる手段を使ってもトランプ執権を阻止しようとする。トランプ除去を望むのは、世界経済フォーラム(WEF)などグローバルDS勢力も同じだ。英国をはじめ、ウクライナ戦争の継続を望む国々にとって、トランプの勝利は悪夢だ。
専門家たちが選挙前に第2、第3の暗殺の試みを警告、さらに選挙を実施できなくするため、戦争(世界大戦)を起こす可能性さえ懸念している。大統領選挙後にもっと大きな衝突が起こると予想する専門家も少なくない。韓国にとって内戦状態の米国が同盟国を守られるのかと命題が投げつけられている。
問題は東アジアへの拡張は求めるNATOだ。今回のNATOサミットは豪州、ニュージーランド、日、韓を新しいNATOの協力国として想定した。ワシントではインド太平洋地域はNATOにとって重要な地域と認識、この地域はヨーロッパの安全とつながっていると主張し、中国とロシアの戦略的協力は、NATO諸国の安保に脅威となると明示した。ショルツ首相はドイツにロシアを攻撃するトマホーク発射台を配備すると発表した。
中国とロシアは当然対応する。中国は、軍事機構の色彩を強める上海協力機構(SCO)に加入したベラルーシと合同訓練を行い、12日からはロシアと米国を想定した合同海軍訓練をしている。
|