5日、都内の日比谷図書文化館で「朝鮮民族美術館をめぐって~日韓文化交流の礎となった日本民藝館のルーツ」と題した講座を開催。杉山享司・公益財団法人「日本民藝館」常務理事/元学芸部長が講師を務め、会場には126人が詰めかけた。
1924年に柳宗悦が浅川伯教・巧兄弟らと協力しソウル景福宮内に設立した「朝鮮民族美術館」(45年閉館)。総督府から「民族」の語を外すように指示を受けるも柳は応じなかったという。
柳は植民地時代という状況下にあっても、さまざまな文筆活動を通じ、一貫して朝鮮の美術やそれを生み出した工人への高い尊敬の念を持ち続けた。
杉山常務理事は講演の最後に「柳の生き方から、美術館というものの今日あるべき姿を学ばせてもらっている。来年は日韓国交正常化60周年に当たる節目なので、日本民藝館としても行事を活性化させたい」と話した。
会場には126人の聴衆が詰めかけ盛況だった |