一般社団法人在日韓国商工会議所は6月27日、都内で会員ら94人が参加し、第62期定期総会を開いた。2023年度事業報告、同収支決算報告のほか、24年度事業計画案、同予算案を承認した。金芳秀会長の1期2年の任期満了に伴い、役員改選が行われた。会長立候補者が1人のみの単独候補だったため、賛成多数で柳和明氏が第14代会長に選出された。他に再任を含め、65人の理事、2人の監事が選任された。
総会後に開かれた新旧会長離就任式及び懇親会には190人が参席。
直前まで第13代会長を務めた金芳秀氏があいさつに立ち、22年の就任以降を振り返った。とくに昨年末、韓日関係の懸案であった徴用被害者への賠償問題で、韓国政府の第三者弁済方式の解決策を後押しするため、会員有志による募金550万円を韓国政府傘下の日帝強制動員被害者支援財団に寄付したことについて触れ「会員各位の支援に感謝の気持ちでいっぱいだ」と謝辞を述べた。
新たに就任した柳和明会長は「全精力を注ぎ、大任を果たしたい」と意気込みを語った。いつでも相談ができるホットライン設置を約束するとともに、(1)原点回帰~「韓商は何をするべきか」に向き合い原点に返る~(2)相互扶助~韓商ネットワークを活かし商売の機会と助け合いを~(3)人材流動性向上―の3大方針を示した。とくに(3)については若手商工人の積極登用について明言。「実現のため協力をお願いしたい」と訴えた。
民団中央の金利中団長は、就任直前の紛糾状態にあった民団について触れ「新韓銀行から民団が揺らぐことがあると困ると忠告された。新韓の柱は民団、在日だと言われた。在日社会はひとつとなって強固に団結しなければならない」とあいさつした。
駐日大使館の姜明逸経済公使は「韓日関係の進展が新たな経済協力の機会を生み出し、同胞の経済活動に役立つとともに、韓日友好増進と経済交流へさらに邁進することを期待する」と祝辞を贈った。
愛知選出の自民党の衆院議員、工藤彰三・内閣府副大臣は、柳会長との交流と親交に触れ、これからの期待について述べた。
柳和明会長は1958年生まれ。愛知県を中心に不動産売買・賃貸・コンサルタント、第2種社会福祉事業などを展開する弦輝で社長のほか、建設業の日本工業の代表を務めている。これまで愛知韓国青年商工会の第23代会長、在日韓国青年商工人連合会第22期会長を歴任。在日韓国商工会議所においては05年に理事、08年に常任理事、11年から副会長を務め、22年に愛知韓国商工会議所会長。今年5月の任期満了に伴い今回、在日韓商会長に就任した。
新旧会長離就任式での柳和明・新会長(右)と金芳秀・前会長 |