「『今日』午前0時が課題の提出期限です。それ以降の提出は減点となります」
ソウル大学の教授補佐が提示した内容をめぐり、議論が巻き起こった。課題提出に遅れた学生が「『金曜日』が締め切りだと聞いていた」と反論したことに対し、教授補佐は「『今日(クム・イル)』は『金曜日(クム・ヨ・イル)』を略した言葉ではなく、『今日』という意味だ」と答えた。しかし、この説明に対し、学生は「教職者が誤解を招くような言葉を使うべきではない」と再び反論した。
韓国トップのソウル大学で起きた今回の事態について、ネットでは「『今日』『明日』も知らない大学生がいるとは」「学力が低下している」との批判が寄せられた。一方では「AI時代に合わせて裁判所の判決文も変わる今、漢字にこだわる必要はない」との意見も上がった。ハングルの読み書きはできるが、漢字の知識が低い若者は増加の一途をたどっている。文章の意味を理解できないため、中高生の学力も全国的に低下している。
教育部と韓国教育課程評価院は毎年、高校2年生の3%を対象に「国家レベルの学業習熟度評価」を実施し、その結果を公表している。成績によってレベル1(基礎学力の不足)、レベル2(基礎的な学力程度)、レベル3(中程度の学力)、レベル4(優秀)に分けられるが、国語で普通以上のレベルだと評価された高2の割合は、2017年の75・1%から、昨年には52・1%にまで低下した。2人に1人が国語の学力が「普通」にも満たないということだ。
韓国語の8割を占める漢字への理解不足も学力低下の重要な要因となっている。漢字を軽視した教育政策は、「今日」を「金曜日」と誤って認識するにとどまらない。その結果、「心からの謝罪(サグァ)」を「退屈なりんご(サグァ)」と解釈し、「写生(サセン)大会」を「生きるか死ぬか(サセン)の大会」と解釈してしまう珍現象が起きている。
専門家は、読解力を養うため、1日10分でも文章を読んだり、日記を書いたりすることを勧めている。新聞記事やコラムを1本きちんと読むだけでも、リテラシーをある程度高めることができる。このままでは「『今日』の読み方」をめぐる騒動は頻発しかねないだろう。
(ソウル=李民晧) |