世界文化遺産登録を目指す「佐渡島の金山」（新潟県佐渡市）について、日本政府が一部地域を除外すると明らかにしたことを巡り、韓国外交部の当局者は１４日、韓国側の立場を反映するよう求めた。
国連教育科学文化機関（ユネスコ）の諮問機関、国際記念物遺跡会議（イコモス）が示した「情報照会」勧告の中で、江戸時代より後の遺産が含まれている地域は除外すべきだとの指摘を受けていた。日本政府は勧告に従い、金山を構成する相川鶴子金銀山の北沢地区は除外する方針。
韓国外国部当局者は、全体の歴史に対する説明が必要という韓国政府の立場は、イコモスの勧告にも反映されているとし、「日本がこの勧告も積極的に受け入れることを願う」と述べた。
韓国政府は佐渡金山について、日本による植民地時代に朝鮮半島出身者が強制労働させられた現場であるため、全体の歴史が忠実に反映されなければならないとの立場を堅持している。
日本の林芳正官房長官は１３日の記者会見で「７月の世界遺産委員会での登録実現に向け、政府一丸となり対応する」と述べている。
登録には世界遺産委員会の２１の委員国のうち３分の２以上の賛成が必要だが、全会一致が慣例となっている。韓国と日本は世界遺産委員会の委員国を務めている。