在日本大韓民国婦人会中央本部(劉代永会長)は11~13日、「第295回全国大研修会」(関東地協)を群馬県安中市で開催。今年は「共に学び共に喜び、在日韓国婦人会の力を次世代に繋げていこう!」がテーマで、三つの講演・映画上映・フラダンス公演が行われ好評を博した。
群馬県で関東地協を開催
婦人会の2024年度全国大研修会が4~6日、「九州・中四国地協」(第294回)から開始。来月2~4日、「東北地協」(第299回)まで、約1カ月間にわたり日本の各地を巡り開かれる。今年は「次世代に何をつなげるか」がテーマ。2泊3日の日程で全6回執り行われる。昨年に続きコロナ以前の開催規模が維持された。
婦人会大研修会で恒例のフラダンス公演が行われ、会場は大いに盛り上がった
11~13日、東京・神奈川・千葉・山梨・栃木・茨城・埼玉・西東京・群馬・静岡・長野・新潟の会員からなる「関東地協」を群馬県で開催した。
初日の11日、開会式と、ジャーナリストの五味洋治氏が「私と朝鮮半島」と題して講演を行った。五味氏の発表では(1)なぜ半島に関心を持つようになったか(2)来年の国交正常化60周年に向けての企画(3)著書『父・金正日と私~金正男独占告白』に基づいた北韓分析の視点を語った。
2日目12日の午前中、宋寛氏が今年1月に刊行された近著『世界遺産・韓国の山寺~テンプルステイで知る日本仏教との違い』に基づいて講演。午後は髙倉太郎・体育健康一二三堂代表取締役がフィットネス実演を行った。
■食・生活習慣を見直す
開口一番「元気ですか!」から始まった髙倉代表の講演では、自身の履歴を紹介。5歳で実母と別れ、父親が新たに連れてきた育ての母も高校卒業の当日に”約束は守った”として父親と離縁。その父親も、高倉代表が34歳の時に他界。結婚したが子宝に恵まれなかった髙倉代表は「父親に孫の顔を見せてやれなかった」と後悔。妻からの指摘を受け病院を受診した結果、自身の食生活の乱れが不妊の原因であったことを悟る。その後、不妊治療がうまくいき父親の死からちょうど1年が経った頃、35歳で長女が誕生し、3年後には次女にも恵まれた。人工授精で2人の娘を授かったことを機に、健康体操指導師として起業を決意したという。
髙倉代表は当時から持っている志について、「食や生活習慣を変えるだけで光が見えてくるようになる人がいくらでもいるということを、もっと世の中に広めていきたい」と語る。
初期(2007~14年)のフィットネス事業は大盛況となり、多店舗で教室を展開したが、経営がきびしくなってからは後進に事業を託し、商標権を取得している資格などを活かして個人で全国各地をめぐる”健康のスペシャリスト”として活動している。
■髙倉講師の健康体操
髙倉代表が商標権を取得している〝fitty体操〟(略称)は、一切の身体の動きを伴わずに、筋肉のゆるみやたるみを引き締めることで痛みを改善する。膝・肩・股関節・足・腰の痛みを訴えて登壇した関東地協・婦人会のメンバーは短時間の体操で「痛みがとれた」と驚きながら語った。
髙倉太郎代表㊧の組み体操指導を受けて痛みが解消した登壇者に笑顔がこぼれる
髙倉代表は50歳の誕生日を迎える前に、知人から「産んでくれてありがとうを伝えられていない人間の”ありがとう”は偽物」との指摘を受け、45年間音信不通であった実母を探すことを決意、入院中の実母の所在を探しあてた。50歳の誕生日当日に、病院のベッドで横たわる実母に向かい「僕を産んでくれてありがとう」と伝える様子が撮影された記録ムービーが上映されると、会場は涙に包まれた。
講演後には全辰隆監督の映画『国道7号線』を上映。ある在日コリアンの中年男性が娘と共に、亡き母の死を伝えるべく北韓にいるとされる伯母への手紙を届けようと、韓国の国道7号線を旅する。映画の後はフラダンス公演が行われた。
講演のテーマは、韓国人の優しさや北韓への視座、韓日の仏教観の違い、健康と家族愛の重要性など、次世代に何をつなげていくかを考えるための時代を超えた学びの素材にあふれていた。劉代永会長は「講師の人選や講義時間の配分について多く協議した。会員の皆さまが興味を抱くよう念入りに企画を組んだ」と話した。
開催地である群馬婦人会の金敬連会長と、事務局の金真利子さんは今回の研修会の感想として「人のために尽くす韓国人の、気持ちの豊かさが多く感じられた。群馬は婦人会会員が少ないので、今年は拡充へ全力を尽くしたい」としている。 |