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最終更新日: 2024-11-19 12:39:03
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2024年05月21日 11:47
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米国が対中関税引き上げ
韓国政府は影響を慎重に見極め

 米国のバイデン政権は中国からの輸入品に対し新たな制裁関税を発動すると発表した。対象となった品目は電気自動車(EV)や電池、重要鉱物、鉄鋼製品、半導体、太陽光パネルなどで180億ドル規模に上る見込みだ。中国側は猛反発、徹底抗戦する構えを表明している。米国の関税引き上げによる衝撃波は米中間だけにとどまらない。再び激化した米中貿易戦争の韓国への影響を考察する。

 

 米国政府は14日、中国に対して追加関税の引き上げを発表した。主な内容は、中国製のEVに対する輸入関税を現行の25%から100%に引き上げるほか、半導体、太陽光パネルは25%から50%へ、その他の車載用電池、鉄鋼・アルミなどは25%まで関税を引き上げるというもの。
バイデン大統領は「中国は半導体、電気自動車などの製品に莫大な補助金を支給し、全世界が消化できる量よりはるかに多くの製品を生産している」とし、「これは”競争”ではなく”反則”だ」と述べた。さらにメキシコなどで生産された中国製品が無関税の恩恵を受けて米国市場に入ることを阻止するとし、米国・メキシコ・カナダ3国の「自由貿易協定(USMCA)」の改正を要求する意向も示唆した。
今回の措置は不公平な取引慣行に対する制裁措置を定めた米国の国内法である「通商法301条」に基づき実施された。
中国は当然、強く反発。王毅中国外交部長は15日、「世界で最も典型的な横暴であり、一方的な嫌がらせ」と批判した。
米中貿易戦争が本格的に再開され、世界貿易が再び不確実性の時代に突入した。米国の関税引き上げによる衝撃波は米中間だけにとどまらないと考えるのが現実的だ。今回の関税引き上げの対象とした電気自動車やバッテリー、太陽光パネルなどは、韓国をはじめとする同盟国とともにグローバルサプライチェーンの再構築が行われている分野。
韓国にも少なからず影響が及ぶ。米中関係の悪化は韓国にとって諸刃の剣だ。プラス面マイナス面ともに大きい。米政府が中国産製品に課す関税を大幅に引き上げたことで、韓国製品の価格競争力が高まることは事実だ。一方、中国の輸出が減ると韓国の中間財輸出も減り、過剰生産された中国産製品がさらに多く韓国内に流入しかねないという懸念も提起される。すでに14日、イタリアのジャンカルロ・ジョルジェッティ経済相は中国産製品の欧州流入に懸念を示し「ヨーロッパも米国と同様に中国産製品に高率関税を課すべきだ」と主張した。
通商法301条は米国の国内法だ。各国が自国内で定めたルールを外国に対して適用すれば、相手国もそれに対して報復措置を実施し、対立がエスカレートして保護主義的な貿易戦争に陥るリスクが高まる。特に中国が自国優位な国内法を作り、徹底的に対抗してくると思われる。
韓国にとって対米関係、対中関係の舵取りも大きな課題となる。中国の王毅外相は13日に行われた韓中外相会議の席上で趙兌烈韓国外相に対し、韓中関係への米国の干渉排除を要求した。韓国は対米重視の外交方針を譲らなかった。
中国経済への依存度が大きい韓国だが、尹政権発足後、明確に脱中国へと舵を切った。昨年12月には韓国の対米輸出が対中輸出を抜いた。1月に中国が抜いたが、2月に再び米国が逆転した。今後、米国とともにサプライチェーンの再構築を積極的に推進していくと見られる。
米政府は、韓国をはじめインド、オーストラリア、日本、フィリピンなど同盟国とのパートナーシップ活性化が順調に進んでいるとしており、「関税引き上げは中国を狙ったもので、韓国企業に支障を与える事案があるならばすぐに知らせてほしい」と韓国側に伝えたと報道されている。

2024-05-22 2面
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