永住者を対象とした改正入管難民法に関して、民団中央の代表者は4月10日、東京都千代田区の参議院会館で、公明党議員と同法に関して意見を交換した。
出席者は民団中央が鄭文吉事務総長と生活局担当者。公明党側が竹谷とし子参院議員、大口善徳衆院議員、石川博崇参院議員、国重徹衆院議員。
議員側から法案の内容説明がされた。資格取消の要件について「故意の場合」であることが強調された。
鄭事務総長は「民団には特別永住者だけでなく、古くから日本で生活する永住者も多く含まれている」とし、「全国の地方本部がこの法案の内容に危機感を持っている」と訴えた。
改正入管難民法は政府が今国会で成立を目指す育成就労制度導入や特定技能制度の職種拡大に伴い、永住者の増加が予測されることから、永住資格の適正化を狙ったものとされる。
しかし永住資格取消について、税金や社会保険の滞納や過失犯を含めた軽微な犯罪の場合も対象にしている。このため永住者の地位を不安定にし、日本政府が推進する共生社会実現に逆行するとして不安視されている。
日本政府は4月5日の閣議で、同法を6月10日に施行する政令を決定した。難民認定手続き中は強制送還を停止する規定に例外を設け、3回目以降の申請者は送還可能とすることが柱となっている。特別永住者は対象に含まれていない。
竹谷とし子氏(中央)ら公明党議員と意見交換する民団中央幹部(左側)
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