| | 全国地方団長・中央傘下団長会議が4月23日、東京都港区の韓国中央会館で、地方団長ら120人が参加して開かれた。現3機関長体制になって初めて、地方団長らが一堂に会する会議であり注目されたが、滞りなく平穏無事に幕を閉じた。前3機関長体制下での昨年の同会議は、紛糾したまま閉会していた。今回の出席者からは、「組織が落ち着きを取り戻しつつある」と安堵する声が聞かれた。
同会議は、第78回定期中央委員会で承認された活動方針を実践するための共通認識の確立を目的としている。
金利中団長は「新しい民団をつくるための第一歩の日となった。地方本部とともに諸問題に取り組んでいきたい」と抱負を述べた。また、納税などを怠った外国人の永住権を取り消すことが可能な入国管理法改正案が閣議決定されたことを挙げ、「在日韓国人だけの問題ではなく、すべての永住権を持つ外国人に関わることだ。民団が中心になって打ち消せるよう働きかけていきたい」と訴えた。
3月に団長として在外同胞庁を訪問したことについても触れ、「非常に厳しい指摘を受けた。今後は事業に対してどのように予算を組んでいくかが問われる」と本国からの支援金見直しもあり得ることを示唆した。
任泰洙議長は「団員各位に改めて感謝する。また規約委員会を構成している」と規約改定に意欲をみせた。金春植監察委員長は「次世代育成は一朝一夕には解決しない。新定住者(ニューカマー)にも参加してもらい、民団を活性化させたい」とあいさつした。
前回会議では不規則発言が繰り返され、一部出席者が執行部席へ詰め寄るなど、大荒れとなった意見交換は一転、滞りなく進んだ。各地方での民団施設への固定資産税減免措置についての質問などがあったが、平穏なうちに閉会した。
今回の同会議については、出席者からも評価する声が相次いだ。
神奈川の李富鉄団長は「12年前にも神奈川団長として出席したが、そのときと比べると人数が少なく寂しい感じがした。新体制が始まったので、全国的に活発になるよう期待している」と述べた。
千葉の高炳佑団長は「3年間の混乱の末に、新体制がスタートした。全国の地方団長が新たに臨む協力体制を感じた」と見解を示した。
大阪の金明弘団長は「3機関長は多様な意見を尊重し、リーダーシップを発揮してほしい。地方本部として支えていきたい」と語った。
東京の李壽源団長は4月25日に開かれた婦人会東京の定期地方大会でのあいさつで民団について触れ、「3年に及ぶ民団の混乱が収束して前に進めた。力強い応援に感謝する」と謝意を表した。
今回の会議に参加した一人は「荒れた昨年と比べ、今回は粛々と進行したが本来、これが正常な地方団長会議の姿だ。地方は中央のことをよく知らないので関心も低く、意見交換でもそれほど発言は出てこない。また前体制には多数の反対派がいたが、現体制は圧倒的多数から支持されて当選したので、反対派も少ない」と分析する。そのうえで「ようやく民団は安定に向かうのではないか。この流れが定着するのか、今後も新体制の行方を注視していきたい」と話している。
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