横浜韓国企業人連合会は11日、横浜市内で企業関係者ら60人が参加し、発足式を開いた。同会は、韓国企業と在日同胞企業などに、駐横浜総領事館が呼び掛けて結成。民団神奈川、神奈川韓国商工会議所、韓国自治体日本事務所などとも連携し、相互にサポートして相乗効果を発揮し、地域と韓日両国の経済活性化を図っていく。
韓国大手が参加
参加した韓国大手企業は、神奈川県内に研究所などの拠点を持つサムスン電子、現代(ヒョンデ)、LGエレクトロニクス、ポスコなどの日本法人。ハイホメタル、ギガテラなどの中堅企業日本法人のほか、国際エキスプレスなどの新規定住者(ニューカマー)企業。
ほかに大韓貿易投資振興公社(KOTRA)日本地域本部、韓国銀行東京事務所といった公共機関。忠清南道、光州広域市、慶尚南道などの自治体事務所、横浜市国際局なども同席した。
駐横浜総領事館の金玉彩総領事は「横浜は首都に隣接し、京浜工業地帯もあり、企業活動の立地として優れている」と地理的利点を強調し、「韓国の大手、中堅・中小、在日同胞、新規定住者など多くの企業に参加してもらった。在日同胞だけでなく、広く日本の企業・団体とも交流し、地域社会と韓日両国の繁栄に役立ちたい」と抱負を語った。
民団神奈川の李富鉄団長は「横浜は在日同胞企業が多く、有益な情報が得られるだろう。進出した韓国企業が成功すれば、同胞の社会的地位も向上する」と期待を込めた。
神奈川韓商の河泳達会長は「韓国企業と協力することで、在日同胞企業のデジタル化・IT化が進むことを期待している」と述べた。
サムスン電子ジャパンの黄眞吾・支援チーム戦略企画グループ部長は「横浜は人材が集まりやすく、企業誘致に熱心。現在、横浜市鶴見区に研究所があるが、今年中にみなとみらい21地区に新たな先端半導体の研究拠点をオープンさせる」と事業拡大について語った。
参加企業の中から会長を募ったところ、国際エキスプレスの羅承道社長を推薦する声があり、賛成多数で決定した。
日本企業とも連携
羅承道会長は「最善を尽くす。韓国企業だけでなく、日本企業とも協力して地域に貢献する」と誓った。
日本における韓国企業の連携組織としては、全国を網羅する駐日本韓国企業連合会(韓企連)が1993年に設立されている。しかし韓国企業の日本法人を中心とした運営で、在日同胞や新規定住者企業との連携はあまり機能していない。
横浜韓国企業人連合会は、地域限定として初の企業連携組織であると同時に、韓国企業と在日同胞企業との連携を本格化することで、前例がない試みとなる。駐横浜総領事館の管轄地域である神奈川、静岡、山梨が対象地域。
活動活性化が肝要
金玉彩総領事は「韓国企業にとっては地域事情に詳しい在日同胞企業が、在日同胞企業にとっては韓国大手企業との連携が、それぞれビジネスチャンスにつながる。今後、この会が定着するよう、積極的に活動してほしい」と語った。
今までにない画期的な企業連携組織は出来上がったばかり。会の理念を実現するためにも、活動の活性化は欠かせない。
横浜韓国企業人連合会の初代会長に就任した羅承道氏 |