総選挙は結局「尹錫悦審判」の構図に固まった。尹大統領は選挙を有利にしようと医大の入学定員増員を持ち出したが、医療界の猛反発を呼び、選挙を不利にした。与野党は、政策の対決ではなく、自らに有利な「風」を作る競争に集中してきた。世界が注視している今回の総選挙で、ウクライナ戦争が招いた韓国の安保環境の変化などはまったく話題にもならなかった。政界は、国会と大統領室を世宗市へ移す遷都を推進しながらも国民の同意を全く求めていない。遷都には改憲が必要という憲法裁判所の判例がある。
尹大統領は1日、自らの「医療改革」に関する国民談話を発表した。だが、医療界を非難した尹大統領の発言は、国民に対する尹大統領の傲慢な姿勢と、国政運営能力全般に対する迂闊さを浮き彫りにした。尹大統領は支持者たちも説得できなかった。大統領室は談話の数時間後、医大の年間入学定員2000人増員は、絶対的数値ではないと後退した。
政府の医大生定員拡大固守方針に対抗し、医大教授らが1日から週52時間のみ勤務、外来・手術などを減らすことにした。開院医たちも週40時間だけ勤める「準法診療」に出た。
今回の総選挙は、第6共和国37年間の左傾化を継いだ尹政権が作った混乱だ。尹政権は、選挙戦終盤の反転を狙い、首都移転を打ち出した。韓東勳と尹大統領は3月27日、国会と大統領室を世宗市へ移すと宣言した。事実上の遷都で憲法違反だ。尹政権は李鐘燮駐豪州大使を、任命25日後に辞任(29日)させたが、選挙雰囲気を反転させることができずにいる。
尹政権が選管委の違法と暴走を阻止しないことから、憲法守護と公正選挙のための闘争は愛国市民の責務となった。クリーン選挙市民行動など愛国団体は3月28日、事前投票管理官の捺印を印刷で代替することに対する憲法願いと仮処分申請を憲法裁判所に出した。首都移転反対集会も翌29日、与党の党舎の前で行った。
事前投票を1週間後に控え、一部の事前投票所で投票者数を把握するためのカメラが設置されたことが発覚した。仁川論〓警察署は、建造物侵入及び通信秘密保護法違反の疑いで韓某氏を緊急逮捕した。逮捕された韓氏は、実際の事前投票参加者数が選管委の発表と一致するかを確認しようとした。拘束令状を発行した李〓映判事は仁川彌鄒忽區の選挙管理委員長だ。
事前投票は不正選挙の始まりだ。事前投票の支持率と本投票の支持率が格段に違うことについて、統計専門家などは「統計的にありえない」と操作疑惑を提起してきた。実際「4・15不正選挙」(2020年)をはじめ、ほとんどの選挙で、選管委発表の事前投票者数と実際投票者数が違う事例は多数確認される。YouTube『1分ニュース』(3月13日)の「死亡者の投票紙が300万枚発行された」は、ある愛国公務員が告発したもので「中央選管委は行政安全部と組んで死亡した数百万人の住民登録名簿を復活させ偽物の事前投票名簿を作った」とし、住民登録新規発給台帳まで添付して報じたが、選管委などはこのYouTube放送を黙殺している。2年前の大統領選に出馬した玉恩鎬氏も自身のSNSに「中央選管委が違法撮影と主張するカメラに事前投票所1カ所(22年3月5日の大統領選挙事前投票日)で、1日1147人を水増ししたことが確認された」と公開した。選管委と共犯の大法院は、再検票で現れた数えきれないほどの不正選挙の証拠をすべて排除した。
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