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最終更新日: 2024-11-19 12:39:03
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2024年03月19日 12:24
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韓国の無償オーガニック給食
日本導入には行政支援必要

 韓国は世界的にオーガニック(有機食品)を使用した給食の無償提供の実践国として有名。小中高の生徒530万人の学校給食に使われる有機野菜は、各道に置かれた農水産振興院が管轄する集荷センターや地域の農家が連携し提供されており、日本と異なる行政基盤を持つ。日本で学校給食のオーガニック促進に向けた取り組みが本格化したのは2022年以後であり、韓国の事例は有効なモデルとできる。

 オーガニック学校給食フォーラムは7日、「韓国530万人の子ども達のオーガニック学校給食の有機野菜はどうやって調達してるの?」と題して、オンラインでセミナーを開催。関係者約30人が参加し積極的な討論を行った。

■韓国給食有機化への道

田中博・韓国草の根塾代表によると、給食による食中毒発生などを機に1997年に韓国で制定された「新環境農業推進法」により、有機農業や無農薬栽培に対する法的な根拠が確立。それまでの農家・消費者団体による抗議活動により、「子どもたちにいい食品を食べてもらいたい」という国をあげての意識改革がまずおきた。
一方、高橋優子・全国有機農業推進協議会理事によると、同じ頃の日本の状況は85年に文科省から通達された「学校給食業務の運営の合理化」方針の下、自校式からセンター式への調理システム切り替えが経費削減の面から進められた。
2000年代初頭、給食に関して日本は経費削減を主眼に置き、韓国は健康面も重視して有機化を進めた。田中代表は「最近の韓国の子どもたちは学校が終われば塾に行き、家で晩ご飯を食べる機会が少ない。『せめて給食だけはいい物を』という思いが広く共有されている」とし、現在にも引き継がれている韓国の地盤の強さを説明。半面、高橋理事によれば06年に日本で成立した「有機農業推進法」は理念法であり、実質的には成立の当時0・2%だったという日本の有機農業率は、23年の数値でも0・6%にとどまっており、韓国が5%台であるのに比しても少ない。

■日本給食有機化の機運

22年に農林水産省が発表した「みどりの食料システム法」の成立を契機として、日本全国で子どもたちの食の安全や健康について考える運動が本格化してきた。同年10月に全国オーガニック給食協議会が開催した「全国オーガニック給食フォーラム」には会場に1200人・オンラインで3000人の参加者を得た。
フォーラムでの発表を受けて、高橋理事は23年8月に京畿道農水産振興院を訪れ、韓国のオーガニック給食(有機農産物と無農薬農産物のミックス)が全国530万人の生徒のもとに届けられる仕組み・構造を実際に見てきたという。
京畿道では振興院が大規模流通センターとして機能し、全国への食品集荷・配送システムが備わっていて、地域の農業関係団体や各学校との組織的な連携がしっかりしている。国と地方自治体が負担して集荷を取り仕切っている点なども韓日の相違点だ。給食の献立が通例時期ごとに旬のものを使うという関係で、各農家は収穫の案を立てやすい。計画・契約生産を行ない「農家に安心・子どもに安全」をスローガンにした農業人連合会の支援を得て、韓国の給食無償・有機化の実態がある。
ただ、生産者の高齢化が進み、現状の給食管理システムを今後も韓国で維持できるかは不透明。日本は有機農業率が低い分、伸びしろはありそうだ。

2403-20-05 5面
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