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最終更新日: 2024-11-19 12:39:03
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2024年03月05日 12:48
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ソウルを東京に擬える 第27回 K-POPと推し活 吉村剛史(文・写真)
K-POPアイドルの推し活 両都市で活況

 韓国では3月に新学期を迎えるが、日本では新年度を控えた春休みシーズンで韓国への旅を計画する人が増える頃だ。韓国を訪れる目的は様々だが、コンサートをはじめ、好きな韓流アイドルを目当てに訪れる人も多い。いわば”追っかけ”だが、昨今では”推し活”や”渡韓”という言葉が浸透してきた。
KPOPスターの推し活としては、高尺スカイドームや蚕室綜合運動場などでのライブ公演のほか、汝矣島やデジタルメディアシティに所在するテレビ局での公開放送の観覧は代表的だが、アイドルが所属する事務所めぐりもそのひとつだ。芸能企画社の先駆けとして李秀満が手掛けたSMや、名物プロデューサーの朴軫永によるJYPの社屋は、以前は江南区清潭洞にあり、そこに出入りするアイドルを待ち構えるファンの姿が見られた。芸能事務所が多い江南区では2014年に清潭洞のメイン通りの歩道脇に各グループをイメージした人形を配置し、そこをKStar ROADと名付け、海外から訪れるKPOPファンへ向けて象徴的な場所として造成した。
SMは16年に清潭洞にレストラン”SMT SEOUL”を開業、赤坂駅前にも”SMT TOKYO”を開いた(ともに閉店)。現在は汝矣島のザ現代ソウルに”SMT Lounge”がある。SM・JYPとともに3大事務所とされたYGは麻浦区合井洞に社屋があり、21年にはその向かいに直営のカフェを設置している。JYPはオリンピック公園脇の江東区城内洞にて、CUBEは城東区聖水洞にて事務所ビル1階にカフェやショップを運営(JYPは閉店)、さらに聖水洞に移転したSMは”KWANGYA@SEOUL”、BTSが所属するHYBEは龍山では”HYBE INSIGHT”(休館)というように、事務所に併設する形で、世界観を表現した展示やグッズ販売を行うなど、国内外から訪れるファンを満足させるコンテンツを充実させてきた。
また推し活としてはアイドルが出演する映像ロケ地への探訪も含まれるが、ソウル東部の中浪区にある廃墟の遊園地だった龍馬ランドはTWICEやBTSらが撮影を行ったことで注目され、その後は入場料を徴収する形でフォトスポットとなって息を吹き返した。またBTSが出演した17年のソウル市広報動画では、漢江公園でチキンを出前してパーティーをする様子が映し出されたこともあり、水辺で「チメク(ビール+チキン)」をしたり、韓国ドラマのシーンのようにコンビニのセルフ調理器で作った即席ラーメンを味わうのもひとつの楽しみ方だ。
東京での推し活は東京ドームや国立代々木競技場ほかでのコンサートもそのひとつで、開催前後にはファンたちが新大久保に流れてくる。12年より営業を続ける新大久保のカイサルカフェ、18年開業の原宿のカフェヨルムなどではスターの写真入りのカップホルダーを提供するイベントが随時行われている。そしてグッズ店は新大久保に多数存在し、池袋にも複数あるが、23年秋には東京タワーの下に”KPOP Plaza Tokyo”がオープンするなど都内各所へ広がりを見せている。昨今はKPOPアイドルを目指す若者もおり、東京でのオーディション開催も増えてきた。
韓国ではアイドルの誕生日を前にして、ファンたちが地下鉄駅などに私費で「センイル広告」を出すが、誕生日ムードを味わうために渡航する人もいる。近年は日本にも波及し「推し広告」としての出稿例が増えている。ファンたちがクラウドファンディングで最大数百万円を集めて広告を出すが、西武新宿駅前の”YUNIKA VISION”はその代表的な場所だ。KPOPアイドルの推し活は一定のファン層に浸透し、両都市で盛り上がりを見せている。

K-Star Road

YUNIKA VISION

2403-06-06 6面
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