私の在日としての原点は、幼いころの居住地域のようすや、小学生のときに北送事業で北へ帰る同級生の姿のほか、大学の同窓生で一人だけ就職できなかった喪失感にある。
1987年に大分青年商工会の設立メンバーとして在日運動に関わり、2002年から6年間民団大分団長を務めてきた。
私にとって、ここ3年間の分裂騒動は無念としか言いようがない。韓半島の南北関係は急変している。北韓は核開発を進め、国民の窮乏に関心がない。
北韓は統一政策を破棄した。さらに韓国を敵国と位置付けたが、朝総連は一言も論評していない。今回の候補者の朝鮮学校出身の問題は残念に思う。
民団は朝鮮学校出身者にも門戸を開いている。しかし2006年5月17日の「5・17事態」での朝総連との和解騒動の再現はあってはならない。当時は団長の経歴詐称などが問題になり急速に収束したが、政治利用されないよう注意すべきだ。
3年間にわたる混乱を経て、規約・規定の見直しが必要だと思った。
22年3月の第76回定期中央委員会はヤジや怒号が飛び交う中、閉会した。同大会前日に当時の中央監察委員長が、事前の妨害工作の予行演習に加担するという重大な違反行為を行った。ほかに団員相手に民事訴訟を起こしている立候補者がいるが、民団内での係争は内部で解決し、日本の司法に持ち込まないという規約運用の見解統一に抵触するのではないか。
議長候補として、2度とこうしたことが起こらないよう、規約改革委員会を設置する。
中津市立豊田小学校卒、中津市立豊陽中学校卒、県立中津南高校卒、九州大学卒、在外国民教育研究所卒。在日韓国青年商工人連合会会長のほか、民団大分団長などを歴任。
呉英義氏 |