民団中央の第56期3機関長候補が、いよいよ出そろった。団長、議長、監察委員長に、それぞれ2人ずつが立候補するという二つの勢力の対立構図となっている。今後、全国6カ所で合同演説会が開かれ、舌戦が繰り広げられる。各候補は自身の思うところを存分に訴えて、論戦を盛り上げてもらいたい。
前回の第55回定期中央大会が開催された2021年から3年以上続く混乱状態は、民団に対する団員の信頼を大きく損なった。民団中央など民団関連団体が入居する、韓国中央会館内でも密かに「ホント、いったい何やっているんだろうね」という嘆きの声が漏れていた。
昨年来、尹錫悦大統領と岸田文雄首相の間で急速に進んだ韓日首脳のシャトル外交以降、芸能・文化、経済など、民間交流にも好影響を及ぼして、韓日間は02年サッカーW杯の頃以来の親密な関係を取り戻している。
在日同胞の組織である民団は本来、先頭に立って韓日親善に努めなければならない。民団が12年に定めた第7次宣言には、「われわれは、韓日両国が東アジアの平和と繁栄のために多分野でいっそう協同すべきだとの観点に立ち、両国の連携深化に向けた架橋的役割を強化する」と、韓日親善のために尽くすことが明記されている。
組織を挙げて韓日親善を後押しするべきときに、内部で抗争をしている場合ではない。今回の3機関長選挙は、昨年末に合意書で交わされた「定期中央大会を公平・正常開催する」という事項の履行が望まれる。合意どおりに大会が運営されればどういった結果であれ、団員は民主主義社会のルールに則った決定を支持するだろう。
これ以上の紛糾はだれも得をしない。韓日親善に資するためにも、民団の結束と安定が最も求められる。
各候補は党派の思惑を超えて、在日同胞を第一に考えて選挙運動を展開してもらいたい。 |