世界トップの経営大学院として知られる米国ハーバード大MBAの教材に、韓国の食品企業「CJ第一製糖」がケーススタディーとして掲載された。米国市場で韓国餃子と冷凍ピザが売上げ1位に躍り出たほか、米国の食品メーカー「シュワンズ(Schwan〓s)」社を買収し、積極的に事業を拡大している姿勢が研究対象として選ばれたのだ。CJ第一製糖は「Kフード」と呼ばれる韓国食品の代表的企業で、単一国家マーケットとしては最大の米国でKフードが認められたとの評価を得ている。
ケーススタディーは、ハーバードMBAが1912年に導入した教習法に基づき、「企業の成功と失敗事例」を巡り教授と学生が議論を交わしながら経営手法を身につける形で行われている。ハーバード大MBAの学生は、卒業まで通常500パターン程度のケーススタディーを行う。また、その記録を掲載した経営学専門誌『ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)』は世界で30万人の購読者を有している。このようにハーバード・ケーススタディーの対象になると、その企業のブランド知名度が高まる。
2000年代以降、韓国企業もたびたび研究対象に挙げられた。2004年から05年にかけ、グローバルマーケティング戦略のケーススタディーとして取り上げられた企業はサムスン電子だ。砂糖の販売業からスタートしたアナログ時代の雑貨商から、デジタル時代の勝者へと発展を遂げた同社の背景にハーバード大学は注目した。
05年には新韓銀行による朝興銀行の合併プログラムと、化粧品会社アモーレパシフィックのグローバル戦略が掲載された。新韓銀行のケーススタディーでは、創業からわずか20年の新韓銀行が韓国で最も古い銀行・朝興銀行を成功裏に合併した背景を探るプログラムが実施され、ハーバードMBAの教材に掲載された。
そのほか、大宇造船海洋(ハンファオーシャン)が中国の造船企業に立ち向かう生き残り戦略(08年)、通信企業SKテレコムの社会貢献活動(09年)、投資企業ミレアセットグループの成長ストーリー(10年)、CJE&Mの「米国で韓流を広める」戦略(15年)なども掲載された。
韓国経済や企業をテーマにしたレポートは多いが、食品をテーマにしたケーススタディーは今回が初めてだ。この流れを汲めば、来年は韓国海苔がテーマとなる可能性もゼロではない。
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慶尚南道河東郡の冷凍キムパプ工場。本工場からの輸出国は、米国、英国、インドネシアなど19カ国 |