投票まで2カ月半残し韓国の総選挙政局が、混迷した状況に陥っている。これまで同じ検察出身で「5・18精神」まで共有してきた尹錫悦大統領と与党「国民の力」の韓東勳非常対策委員長が衝突、尹大統領が韓東勳の退陣を要求する状況が起きた。
尹大統領と韓東勳の摩擦の表面化は、就任してから2年も経っていない尹大統領としては最悪の状況だ。尹大統領は現時点で与党が韓東勳党化するのを放置するわけにはいかない。両者は野党の標的となっている金建希大統領夫人への対応において、視点と立場の差が決定的だ。
現職大統領夫人の問題を法律的な次元で正面突破しようとする尹大統領やその支持勢力と、金建希夫人と在米従北人物との接触状況に対する有権者たちの感情と反応を重視する韓東勳側の立場は縮まりがたい。韓東勳側は尹大統領を乗り越えねば総選挙で勝てないと考えているという。
李在明党化した野党・共に民主党も、従北が中心の李在明親衛隊が、文在寅系列の退陣を要求し分裂の破裂音が大きい。この党内権力闘争は、李在明党の基盤である全羅道出身の有権者たちの選択が結果を左右する。極左路線へ走る李在明党に有権者がどう対するのか見所だ。平壌の金正恩が韓国占領、平定を宣言した中、選挙が韓国に危機を呼んでいる。 |