在日韓国人初の義士・元心昌(1906~1971)氏を称える記念館が今春、氏の故郷・平沢でオープンする。工事は現在、最終段階に入っている状況だ。オープニングセレモニーは来年2月、または3月に各界の著名人を招いて実施される予定だ。
京畿道平沢市の支援で建設が実現した「元心昌記念館」は、彭城レジャー公園内の体育館に設けられる。同館は、元義士の生まれ故郷・安井里から至近の場所に位置する。
展示室では、氏の生涯を体系的に見ることができるよう設計されている。独立運動家として、また統一運動家として生涯を捧げた愛国志士の活動に焦点をあてることに重点が置かれた。
韓国で3・1万歳運動を経て日本に渡り、アナーキストになるまでの過程は青年期の活動として展示されている。さらに、抗日闘争参加のため中国・上海へと渡り「六三亭義挙」を展開した記録や、その後日本に送還されて裁判を受けるまでの過程など、13年に及ぶ獄苦の足跡を振り返る。
晩年期の内容としては、8・15(解放)後も日本に留まり、民族団体「在日韓国民団」を創立したことや平和統一運動を展開したことを展示。さらには1959年に本紙『統一日報』を創刊し、60年代の統一運動における人材育成に尽力したことなど、統一促進運動の奮闘に光を当てている。
今回開館する「元心昌記念館」は、本紙が所蔵している元義士の資料数百点が展示品のベースとなっている。これらの資料は2022年末に平沢市へ寄託され、約1年間にわたり歴史専門家らを中心に分析が行われてきた。本紙が寄託した主な資料は以下の通りだ。(1)日帝植民地時代に独立運動家として活動した後、長崎刑務所に収容された元義士に宛てられた同志や親族からの手紙(2)上海六三亭義挙(1933年3月17日)の判決文をはじめとする裁判関連記録(3)解放直後に元義士が主導して設立した独立労農党日本支部の資料(4)南北分断後初の統一運動組織「統協」関連資料と署名簿(5)大韓民国駐日代表部が発行した身分証明書(6)同胞社会初となる在日韓国人社会葬で、各界著名人が述べた弔辞などの音声テープ(7)元義士の主導により発行した各新聞の原本などがある。 (ソウル=李民晧)
「元心昌記念館」では運動家の足跡に焦点
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