先月24日、英国の北人権問題組織「Korea Future」が都内の事務所に日本のNGO関係者を招き、ワークショップを行った。
「Korea Future」はロンドンに本部を置き、オランダのハーグ、韓国のソウルにオフィスがある。今回のイベントは、日本事務所の開設を記念して開かれた。
金智源Korea Future調査官によると、組織としての活動のビジョンは、北韓内で行われている深刻な人権侵害および国際犯罪に対する責任糾明を現実化させることにある。こうした目的を達成するため、脱北者との交流を図りながら、北韓内で経験した人権侵害の具体的な調査を進めているという。
特に「Korea Future」の調査が重点を置いているのは、北韓内の様々な拘禁施設(拘留場、強制収容所、教化所など)で行われた人権侵害の実態調査だ。調査を通じて得られたデータを国際人権法に照らして分析し、構築したデータベースの一部はホームページ上で公開されている。
利害関係者がデータベースを通じて多様な責任糾明を追及できるように、積極的な支援を行うというのが組織の主立った活動である。
当日のワークショップでは、英国BBCの元記者でもあるジャネット・アンダーソンKorea Futureコミュニケーションコンサルタントによって、いかに情報伝達をうまく行い、世界に北韓の人権侵害の実態を訴えていくかというプロセスについて討議された。「Korea Future」側の弁にならうと、「アドボカシー(権利擁護)戦略」についての意見交換が行われた。
当日、大阪からオンラインでワークショップに参加した「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」会員の蒲生健二さんは、「確かに守る会の活動の中でも会員を増やすため、どうして自分たちが北韓に住まう人々のための活動をしているのかという点については説明を多く行ってきた。ただ、実際に活動に参加してくれる人があまり増えていかない原因として『アドボカシー戦略』が効率的に行えていなかった点があったかと問われるのなら、それも少し実情と違う気がする」と感想を述べた。
先月24日のワークショップの様子 |