各法律上の規定が異なり煩雑化していた「在外同胞」の定義が明確になった。基本法の施行に伴い、在外同胞政策の体系的な推進に期待感が高まっている。また、仁川1号線地下鉄「セントラルパーク」駅では今月から、駅名と併記して「在外同胞庁」の名称が加わることになった。
(ソウル=李民晧)
10日、在外同胞政策の法的根拠となる「在外同胞基本法」が施行された。今年6月5日に、外交部傘下の在外同胞庁が発足してから5カ月目となる。
今回、施行された「在外同胞基本法」の目的は「在外同胞社会と大韓民国が共に発展できる環境をつくり、人類の繁栄と世界平和の促進に貢献」することだ。
基本法では在外同胞に対する定義について(1)大韓民国の国民として外国に長期滞在、または外国の永住権を取得した者(2)出生により大韓民国の国籍を有した者、またはその直系子女として大韓民国国籍を持たない者と定めた。外国籍同胞も在外同胞であることを法律で定義づけた点について意義がある。
同法の施行により、在外同胞庁長は5年ごとに在外同胞政策に関する基本計画を確立・施行しなければならない。初の基本計画(2024年分)は来月中にも在外同胞政策委員会の審議を経て決定される見通しだ。
また法の施行を踏まえ、在外同胞社会の現状に対する実態調査を行うことも可能となった。このように在外同胞政策の総合的かつ体系的な推進に向けた主要項目を審議・調整するため、外交部長官の管轄下において在外同胞政策委員会が設置されることも決定した。在外同胞庁は同胞政策の推進について、省庁間の連携に加え、官民一体による協議を強化させるきっかけになるものと期待感を示している。在外同胞政策委員会は、同胞政策に関する主要項目を審議・調整する役割を担う形となる。
在外同胞政策の基本方針としては、(1)定着、社会的地位向上など在外同胞社会の安定的な発展(2)韓国人としてのアイデンティティー育成支援、および大韓民国への帰属意識の向上などだ。同時に、在外同胞を対象とした様々な交流事業も実施するよう定められている。
施行令では「在外同胞のための総合民願システムの構築と運営など、民願サービスに関する政策」を定めた。在外同胞総合民願室、365民願コールセンターなどの運営により民願サービスの便宜性向上に向けた法的根拠が整った格好だ。
在外同胞庁の李基哲庁長は「二つの法令に基づき、700万人の在外同胞をより体系的に保護・支援し、韓国と在外同胞社会を共に発展させられるよう努力を続けていく」と語った。
一方、仁川市都市鉄道建設本部は7日、仁川都市鉄道1号線「セントラルパーク」駅の表記を「セントラルパーク(在外同胞庁)」へと変更することを発表した。
これに伴い、セントラルパーク駅には在外同胞庁までの案内板が設置され、仁川地下鉄路線図にも「在外同胞庁」の名称が併記されるようになった。
| | 13日に開催された世界韓人政治フォーラムで、祝辞を述べる李基哲在外同胞庁長 |