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2023年09月26日 12:21
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いま麹町から 22 髙木健一
戦後補償国際フォーラム③ 太平洋の島々の被害者(アッツ島やパプアニューギニア)

 1991年以降も私たちは戦後補償国際フォーラムの開催を続けました。92年の12月6日には、韓国の遺族会から2人の元慰安婦が参加してくれました。いずれも金学順さんと同じ遺族会裁判の原告です。
この頃、韓国人元慰安婦の裁判の盛り上がりを見たフィリピンでも女性団体が呼びかけを始めました。

92年9月頃には元慰安婦のマリア・ロサ・ヘンソンさんが名乗り出て、フィリピンで大騒ぎになっていたようです。
その女性団体の中心的活動家であるネリア・サンチョさんとインダイ・サホールさんが同年10月頃、私に直接電話をしてきました。日本での裁判提起のため来てほしいというのです。「プリーズ」を繰り返す切実な電話に動かされ、私は知り合いの横田雄一弁護士を誘い、翌11月に調査団を組織してフィリピンに渡ったのです。
マリア・ロサ・ヘンソンさんが日本軍に捕まったルソン島アンヘレスの街へ行き、体験を聞きました。
マリアさんは43年に9カ月間拘束され、慰安婦として日本兵の相手をさせられたのですが、その間、出身地を襲撃すると聞いて、村の住民に伝えたことを気づかれ、銃剣等でひどく殴られたそうです。しかし、田中という日本兵に助けられたこともあり、恨みよりは懐かしいとの思いを持っていたのが印象的でした。

私は20人からなる弁護団を結成し、翌93年4月5日に18人の元慰安婦を原告(9月に28人追加)とする裁判を提起しました。
93年8月14日と15日には「戦後補償国際フォーラム93」を開催しました。
これまでの運動でアジアの戦争犠牲者が国際的な広がりを持ち、国内外の専門家によって戦後補償の論理が整理されたことで、日本政府が本格的に取り組まなければならないことが明確になったのです。
丁度その頃、93年8月9日に細川政権が発足しました。私にとってサハリン残留韓国人問題の同志ともいうべき五十嵐広三さんが建設大臣に就任し、これまでの問題を訴えることから成果を引き出す運動にシフトできたのです。
さらに、94年6月30日に村山政権が発足し、上記の五十嵐さんは官房長官となりました。この94年は8月13日と14日にやはり「戦後補償国際フォーラム94」を開催しました。
この時は、マーシャルやナウル、そしてパプアニューギニアなどからの被害者代表が参加し、太平洋の島々の被害にも目を向けたのです。

また太平洋の北の果てのアラスカに近いアッツ島のアリュート人の強制移住の被害の話も出ました。
42年9月、アッツ島を占領した日本軍は42人の島民をスパイ防止として北海道の小樽周辺に強制疎開(移住)させたため、栄養状態が悪化して約半数が死亡したというものです。
戦後、アメリカでは88年に日系人には2万ドルの補償を支払ったが、アリュート人にはその半分程度しか支払っていないなど差別が残っているということでした。94年からパプアニューギニアの虐殺事件の訴えがありました。
42年、ラバウルを占領した日本軍はニューギニア各地を拠点としてオーストラリア軍などの連合軍と対峙し、44年にはセビック川中流のティンブンケン村を占領したが、オーストラリア軍に襲撃されたところから、村人のスパイ活動だと判断した中隊長の大尉が村人100人を集めて虐殺した事件です。その遺族が補償を訴えたのです。
95年の国際フォーラムには初めて東ティモールからも訴えがありました。日本軍の占領時代に慰安婦被害や虐殺被害が頻発していたのです。
「戦後補償国際フォーラム」は96年まで続きました。

2309-27-05 5面
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