神奈川韓国商工会議所は１３日、横浜市内で「ビジネス講演会」（後援・在外同胞庁）を開き、７０人が聴講した。
講師となったのは、世界韓人貿易協会（ＷＯＲＬＤ　ＯＫＴＡ）会長で日本最大級の韓国食品スーパー、イエスマート創業者の張永軾氏。「海を渡る経営者」と題して、来日してからこれまでの半生を語った。
張会長は韓国の大学生時代、反米民主化の学生運動に参加した。卒業後は米国留学を志したが、反米運動の影響でビザが発給されず１９９３年、２５歳のとき日本語が分からないまま来日した。日本語学校に通いながら、昼夜を問わずアルバイトを掛け持ちして学費を稼いだ。
もっと効率よく稼ごうと当時、日本で人気のあった趙容弼のカセットテープを個人輸入してレコード店に販売したり、コメ不足になったときには、韓国からコメを輸入して自らリヤカーで配達したといったエピソードを語った。こうしてビジネスの面白さに目覚め、起業する。
外国人観光客が増えていることから、免税店「永山」を全国２３店舗展開するが、リーマンショックや尖閣問題、東日本大震災などの影響で苦境に陥るたび、次のビジネスに挑戦し危機を乗り越えてきた。
電動自転車の製造販売など、失敗した事業についても臆することなく披瀝し、「ギブアップしなければ、生きる道はある。できないではなく、トライすることが大事」と自らの経営哲学を語った。