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2023年09月12日 12:10
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東京測地系→世界測地系 揺らぎ始めた中国経済
不動産依存の経済成長と地方財政

 今、中国経済が大きく揺らぎ始めた。住宅販売の不振が長引き、マンションの建設工事中断が相次ぐなかで、中国恒大集団や碧桂園控股など大手不動産開発会社の経営が悪化した。不動産業は中国のGDPの3割程度を占めるため、市況の低迷は景気の下押し圧力として働く。また、不動産開発会社の経営悪化は金融システムや地方財政にまで影響を及ぼすため、経済の先行きに対する警戒感が一気に高まった。今後の動きに注意する必要がある。
不動産市況が悪化した直接的要因は、不動産価格の高騰とそれによる格差の拡大、債務の膨張を抑えるために政府が規制を導入したことである。2020年に大手不動産開発会社に対して、(1)総資産に対する負債(除く前受け金)の比率を70%以下(2)自己資本に対する負債比率を100%以下(3)短期負債を上回る現金の保有という三つのレッドラインを設けた。翌年には銀行の住宅ローンや不動産開発会社への融資に総量規制を導入した。
不動産バブルの崩壊は多くの国が経験してきたが、中国の不動産問題を複雑にしているのに中国固有の要因がある。中国では土地の所有権は国(含む地方政府)にあり、売買の対象になるのは使用権である。地方政府は開発を目的に農民から収用した(補償は低額)土地を、入札を通じて不動産開発会社に使用権込みの価格で売却する。
売却収入は地方政府の収入(歳入とは別の基金)となり、基金の収入は専ら銀行からの融資の返済に充当される。また、不動産に関連した税金が多く存在しているので、地方財政は不動産開発に大きく依存しているのが実態である。このため、不動産市況の低迷は地方財政に大きな影響を及ぼす。
地方政府が関係するものに、もう一つある。道路や橋などのインフラを整備する役割は地方政府傘下の融資平台が担っている。融資平台は銀行からの融資のほかに、債券を発行して資金を調達している。この債券は理財商品として企業や個人が購入する。預金金利よりも高く、返済には地方政府の「暗黙の保証」があるとみなされているため、魅力的な投資対象になっている。不動産開発が進められるなかで、この融資平台の債務が膨張した。IMFの推計によると、債務規模は23年の66兆元から27年には102兆元に達する見込みである。
さらに注意したいのは、今日の不動産問題に習近平政権の政策が関係していることである。12年に誕生した習近平政権にとっての経済課題の一つは、リーマンショック後に顕在化した過剰生産、地方政府の債務問題に対処しながら、安定成長を実現することであった。投資に過度に依存した成長ではなく、消費が成長のエンジンになることをめざし、農民の所得増大を図った。その切り札といえる政策が都市化であった。中西部に中小規模の都市を建設して新たな産業を育成する、農民に職業訓練とあわせて就労機会を提供する、都市戸籍を与えて医療、教育、福祉などの高い水準のサービスを受けさせる。
このように農民の生活改善を目的にした都市化政策であったが、土地収用をめぐる紛争(低い補償金、暴力的な立ち退きなど)や利権絡みの汚職が多発した。また、住宅価格の上昇を見込んだ投資目的で購入する人が多かったことから、完成後に居住者がほとんど不在で、ショッピングモールにテナントが入っていないゴーストタウンが登場した。
これまで住宅価格が高騰すると、利上げや住宅ローンの規制強化が行われ、不動産市況の低迷が続くと、景気の悪化を恐れて規制緩和が実施されるというサイクルが繰り返された。習近平政権に求められるのは、不動産に大きく依存した成長と地方財政を根本から改革することである。他方、韓国や日本など中国経済への依存が高い国は、中国経済の不安定化に対する備えが必要である。
(中央大学非常勤講師 向山英彦)

2023-09-13 1面
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