最近、中国は福島処理水がＩＡＥＡ精密調査で無害と検証されたにもかかわらず、反日感情を煽っている。
逆に、中国の原発から放出する放射性物質、三重水素が福島より１０倍以上多いことが分かる。北韓も反日感情を煽りながらミサイルを連射している。
一方、８月２３日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者であるプリゴジンと参謀１０人が搭乗した航空機がモスクワ付近で墜落した。プーチンに対するクーデターを起こした政敵のプリゴジンがプーチンによって排除されたものだ。過去にもプーチンは反対派の政敵数人を毒殺、投獄した前例がある。
北韓の金正恩も叔父の張成沢を残忍に処刑したり兄・金正男氏を毒殺し、党や軍幹部３００人以上を処刑した前例がある。
中国でも林彪国防部長兼副総理が毛沢東排除のクーデターを計画したが、明るみに出てソ連に脱出する途中のモンゴル上空で墜落死亡した先例がある。
政敵を殺してまで長期独裁政権を維持する北中ロの脅威は、依然として絶え間なく増大しつつある。　
先月１８日、米キャンプデービッドで開催された日米韓３カ国の首脳会談は北中ロを牽制する大きな契機になった。
韓半島の南北を分断する休戦ラインは、大陸勢力（北中ロ）と海洋勢力（日米韓）が力のバランスを保つ緩衝地帯であり境界線である。サッカー場のセンターラインと同様だ。故に、休戦ラインは世界で軍事密度（Ｍｉｌｉｔａｒｉｌｙ　Ｄｅｎｓｉｔｙ）が最も高い。
北中ロは表面的には民主主義人民共和国であり政党制国家である。しかし、統合ロシア党と、中国共産党および北韓労働党は一党長期執権の独裁体制であることが分かる。他の政党は長期独裁政権を支える衛星政党に過ぎない。
北中ロは政権交代のない長期執権体制であるため、軌道修正が出来ない。北中ロの長期独裁と統制経済が自由民主国家の市場経済に追いつけない理由がここにある。
特に、北中ロの長期独裁政権は、外に敵を作って国民の敵愾心を煽って、国内危機を醸成する共通点がある。
危機醸成は長期執権に対する国内反対世論を静め、国内結束をもたらし長期独裁を可能にする。
プーチン大統領がウクライナに侵攻したのも、ＮＡＴＯの影響力拡大阻止が名分だが、本音は危機を醸成して政権の永久執権を強化することが主な狙いだろう。
故に、プーチン大統領が次期選挙で再執権するまでは休戦協定は難しいと考えられる。習近平の台湾武力統一発言も同じ脈絡だろう。
北韓の金正恩もミサイルを連射する目的は、３代世襲長期独裁体制を永続化させる狙いだろう。８月９日、戦争準備命令を下したのも危機を醸成して、国内結束を固めなければならないからだ。
北韓が折に触れて大規模軍事パレードを行うのも国内外への誇示用である。
最近、台湾は中国内陸の三峡ダムを破壊できる巡航ミサイルを試射した。三峡ダムが破壊されれば、揚子江流域が水没する大惨事を招かざるを得ない。台湾は海抜３千メートルの高山が全国に散在する天恵の要塞国家だ。台湾海峡も米海軍力が強力な抑止力になっている。
結局、中国の台湾侵攻は国の存亡がかかった冒険であり不可能であることが分かる。したがって、習近平の台湾武力統一発言は長期執権体制維持を狙った政治的なショーマンシップだろう。
７月２７日、北韓は休戦記念式典でプーチン大統領と同様に核兵器使用の可能性を示唆した。
戦略核であれ戦術核であれ、万が一、一国が核攻撃を受けると、核搭載潜水艦（ＳＳＢＮ）から発射する二次核報復、相互確証破壊（ＭＡＤ）によって共倒れを招かざるを得ない。恐怖の均衡が核兵器使用を抑止している。相互確証破壊の恐怖を北中ロはよく知っているはずだ。にもかかわらず、核恐喝を繰り返す目的は危機を醸成して国内結束を固め、長期執権体制を強化しようという狙いだろう。
故に、今後も北中ロの危機醸成は変わらず続くだろう。韓米同盟と日米同盟強化がいつにも増して重要だ。