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2023年09月05日 10:01
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私が出会った在日1世~金達寿の歩いた道② 安部柱司

 90年代に、私は故郷の歴史編纂事業に参画し、築城海軍飛行場の建設過程を調査した。その調査で多数の韓国人が建設に加わっている資料を見付けた。それは60年代に張斗植から帝国海軍飛行場に尽力した話を聴いていたのを裏付けるものであった。
崔考先氏の「金達寿海峡に立つ人」は、在日韓国人を見る目に大きな欠落がある。崔考先氏の金達寿研究には敬服する一方、在日韓国人の形成過程への理解が浅いことに気付かされる。
韓半島にルーツのある人は大雑把に数えて、現在300万人はいる。その在日韓国人の主流というか、主な流れは関東大震災後から昭和16年12月の開戦までに渡日して来た人々である。これらの人々の大半は敗戦後、つまり韓半島の解放後も日本列島に残った。昭和20年8月の段階で200万人いた「在日朝鮮人」の四分の一は「帰国」しなかった。
金達寿は帰らなかった一人である。金達寿は「海峡」に立った人ではなく、日本側に軸足を置いた人であった。
そして在日韓国人の組織に入会と脱退を繰り返した人でも、思想遍歴を繰り返した人でもなかった。昭和20年10月10日以降、この日本を韓国人にとって住みやすい国にする、そのために一生を懸けて戦い続けた人であった。

海峡を渡ってくる韓国人の道筋、連絡船は知られているだけで三つある。西側は全羅南道と博多を結ぶ航路。中間が釜山と下関を結ぶ航路であり、張斗植も金達寿も釜山から下関に上陸した。そして三つ目が慶尚南道蔚山と山口県油谷湾を結ぶ航路であった。
油谷湾は長州捕鯨の根拠地であり、平成の大合併以前は「油谷町」であった。油谷町出身と言えば安倍晋太郎がいる。安倍晋三元首相の尊父である。その安倍晋太郎の曽祖父の大島義昌陸軍大将も油谷町出身であった。
大島義昌将軍は初代の関東都督として大連・旅順を含む遼東半島の統治を行っている。その関東都督を務めている時に、伊藤博文暗殺事件が勃発し、安重根の死刑を執行した都督でもある。
あの岸信介が満洲に赴任するに当たって大島義昌都督の統治を学習している。尊敬する大島義昌の曽孫に娘を嫁がせたのは、満洲国を仕切った岸信介の自負である。
蔚山↓油谷間の連絡船で渡日した三偉人の話を慶尚道二世から耳にしている。三偉人とは、金天海・洪鳳寿・辛格浩だとされる。
辛格浩は日本名が重光武雄であり、ロッテの創業者として広く日本で知られている。私も、玉城素師などと訪韓の際はロッテホテルに宿泊した。
洪鳳寿は朝鮮総連10回大会で副議長に名前を連ねている。御子息の洪南基は会津清掃の社長を務め、高麗人参の研究者である。
三偉人のうち、二人の流れは日本に根を張っている。だが、後事を韓徳銖に託して北韓に渡った金天海は、その考えを在日の世界に遺した。それが府中刑務所から出た第一声として伝えられる「この日本を朝鮮人の住みやすい島にしよう」であった。

金達寿は、1945年の時点まで「金日成」という名前を知らなかったそうである。神奈川県下の韓国人居住地が金天海の活動地域であった。金達寿は、「朝鮮民族の指導者」として金天海を知っていたが、金日成は知らなかった。そのことを金達寿自身から聞いて驚いた記憶がある。それは岩波新書の『朝鮮』での金日成に関わる描写と著しく異なっていたからである。
『朝鮮』で金日成は「朝鮮民族の独立のために日本帝国主義と戦う英雄」として描かれ、「太平洋戦争時下、朝鮮民族にあまねく知られていた」と記述されている。
私が金達寿の助手として過ごした20年間、金達寿は日本の敗戦時過ぎまで金日成の存在を知らなかったという古代史叙述者であった。

2309-06-05 5面
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