関東大震災の発災から100年となった1日、各地で慰霊行事があった。民団の関東各地方本部でも、追念式が営まれた。節目となった年に、参列者は改めて日本社会との共生を誓っている。
民団東京は、駐日本国大韓民国大使館と韓国在外同胞庁の後援で、東京都千代田区の東京国際フォーラムで第100周年関東大震災韓国人殉難者追念式を開いた。李壽源団長ら幹部のほか、中央の呂健二団長ら幹部、尹徳敏特命全権大使など550人が参加した。
尹大使は追悼の辞で、根拠のない流言で命を奪われた韓国人がいたことについて「不幸な過去の歴史は二度と繰り返されてはならない」と言及し、「過去の事実に淡々と向き合いつつ犠牲者を追悼し、傷ついた記憶を癒していけるよう、ともに努力すべきである」と提言。「ありのままの歴史を直視し、相互理解を深めていけば、韓国と日本は真のパートナーとして、未来志向な協力を持続し、世界平和と繁栄に寄与できる」と述べた。
民団東京の李団長は「未来を見据え着実に努力を重ねて韓日両国の平和、安寧、共存共栄の平和な世界の構築に力を尽くす」と追念辞を読み上げた。
民団神奈川では例年通り「関東大震災韓国人慰霊碑」の建立された横浜市南区の宝生寺で慰霊祭を開いた。神奈川幹部、同韓国商工会議所、同婦人会、同青年会などの代表、各支部団長のほか、駐横浜総領事館の金玉彩総領事、横浜市の後藤勝アジア大洋州担当課長ら約30人が参列した。本堂での佐伯真魚住職による読経のあと、慰霊碑に参列者が焼香し、しめやかに法要を営んだ。
李順載団長は震災当時、鶴見町(現・横浜市鶴見区)の神奈川警察署鶴見分署の大川常吉署長が朝鮮人約300人を保護したことを挙げて、「犠牲者を追悼するとともに、助けてくれた人がいたことにも感謝しなければならない。これからも共に生きるという前向きな視点で日本社会と交流していきたい」と述べている。
千葉では同本部内で、役員、各支部団長、婦人会や青年会などの代表ら54人が、犠牲者に献花した。
追悼の辞を述べる駐日本大韓民国大使館の尹徳敏特命全権大使
|