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2023年08月15日 05:32
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ウクライナ戦争に見る西欧文明の限界
米国なき安保の準備必要

 ウクライナを戦場としたNATOとロシア間の戦争はいまだ終息の目処が立っていない。常識的に見れば、西欧(米英)は当初の戦争目的を成し遂げる見込みもなく、これ以上、戦争を持続する余裕も名分もない。面目を失わず戦争を終える道を模索しなければならない立場と見られる。ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATOの支援が続く限り戦い続けるというが、彼は昨年4月にロシアと停戦に合意すべきだった。米・英の圧迫に屈して戦争を続けると決めたのは致命的なミスだった。すでに100万人以上の死傷者を出したと見られるウクライナ軍は兵力・資源が枯渇し、武器をさらに支援されても戦争を続けることができない残酷な状況だ。キーウ側が統治する総人口は1年半前に比べて半減した。いずれにせよ、ウクライナ戦争はすでに世界大戦へと拡大し、東アジアにも火の粉が降りかかってきた。ウクライナ戦争が変えた国際秩序を理解するために必要な常識と教訓を整理しておこう。


ロシアを見誤った米・英

この1年6カ月間で、世界と国際秩序は大きく変わった。鬱そうとした森で起こった山火事により、隠されていた地形があらわになったように、パンデミックと戦争が、国々の実力や本当の姿を現した。国家間の親疎関係が明らかになり、平時は見られなかった実力と脆弱さが露呈した。すべての国々がそのリーダーたちと一緒に天秤に載せられた。
ウクライナ戦争は国々の体力と危機管理能力を確実に表した。戦争だから当然、リーダーの判断と対応が勝敗を左右する。国力と気質はもちろん、エリートたちとリーダーシップを比較でき、その差は明確だ。戦争を準備してきた国と準備しなかった国が確実に区分された。
まずゼレンスキーのウクライナ側が置かれた悲惨な状況は、強大国の代理として戦争に動員されることがどれほど危険かを教えてくれる。戦争は資源が枯渇すれば終わるしかないが、ゼレンスキーは戦争を終えることもできない。国家を破滅に追い込んだことへの責任追及が怖くて自殺的戦争を続けている。
米・英は当初から戦略的に信じられない致命的なミスを犯した。常識的には今回の戦争は早く止めねばならないのに、自分たちが主導してきた国際秩序が崩壊するのを直視したくないものと見られる。米・英の失態は、ロシアを見誤ったことから始まった。西欧はロシアを、韓国やスペインほどの国力を持った国家と見たようだ。
西欧(米英)は、局面転換のきっかけをつかむまでウクライナ国民を残酷な戦場へ駆り立てている。米・英が人道的な考慮など全くせず、ウクライナ国民を、ロシアを破壊する道具としか見ない冷酷さを隠さないのは、西欧に人道的な考慮をするほどの余裕さえないからだと見られる。台湾は米国と武器購入の契約をし費用を支払ったにもかかわらず武器を受けとれないのに、ウクライナには天文学的な支援を続けている。

資源という強みを持つロシア

NATOは当初予想していた軍事および経済援助の規模をはるかに超える支援をしたため、体力を消尽している一方、ロシアの戦力は枯渇する兆しを見せていない。ロシアに対する「制裁戦争」においても食糧、エネルギー、資源を自給できないEUは結局、米国のみを信じロシア制裁という経済戦争を持続することはできない。
ロシアは今回の戦争を通じてさらなる強国として浮上するものと見られる。ロシアが敗北する理由が見当たらず敗北するなら、すでに敗北しているはずだ。ロシアは、すでに2014年から多くの制裁を受けてきたため、制裁に耐えられる態勢ができていた。ロシア国民の多くが、NATOがロシアの脅威であることや特殊軍事作戦の不可避性を理解、プーチン大統領を支持しているのは非常に印象的だ。共産全体主義と国家の解体を経験し、過酷な鍛錬を通じて強く生まれ変わりつつある国だ。食糧、エネルギー、資源を自給できる自立的な国家だ。内部的に複雑な利害関係を抱え衝突するEU(NATO)に負けられない。

 「特殊軍事作戦」は、今回の戦争の目的に適した、現実的でよく練られたものと言えよう。もし、ロシア軍が動員した少ない兵力で首都のキーウなどウクライナ領土の占領を行ったら、NATOの支援を受ける数多くの傭兵やゲリラを相手に、ベトナム戦やアフガン戦争のような泥沼に陥ったはずだ。ロシアは「特殊軍事作戦」の目的をウクライナの「非軍事化、非ナチ化」に設定、この目的を追求した。
NATOはウクライナ軍の情報、作戦、訓練、補給などすべてを計画し支援しているが、ロシア軍が、NATOが望んでいる罠に落ちない限り、有利な戦いにはならないだろう。NATOは、ロシア軍の特殊軍事作戦ほどの戦闘にも対応できない。そもそも高強度の戦争への態勢はまったくできていない。NATO(米英)が経済制裁とプロパガンダに集中するのは、軍事力が決定的に不足しているためだ。
ところが、西欧の支離滅裂なプロパガンダはすでに効果がない。幼稚で卑劣な内容であるからだ。NATOのプロパガンダを信じる人々は西欧でも一部にすぎない。ロシアが西欧を脅かすというが、ロシアは西欧を脅かす行動をしたことはなく、脅かす理由もない。ロシアが、資源もない貧しい西欧を脅かし攻撃して得るものがあるのか。
西欧がロシアの脅威を宣伝するのは、グローバリスト勢力自身がロシアに対する人種的差別(ルポビア)、あるいはナチスドイツのヒトラーのように、ロシアの資源を欲しがっている反証ではないだろうか。
西欧の稚拙なロシア悪魔化プロパガンダは、グローバルサウスの嘲笑と反感を買うだけだ。LGBTQ式の基準を強いる西欧に対して、非西欧の世界は宗教的にも拒否感を覚える。そのため、大半の国々がロシアに対する制裁に参加しない。

致命的な北京とロシアの連携

いずれにせよ、西欧がロシアの破滅、抹殺を追求した以上、ロシアも総力戦の態勢で西欧に立ち向かうしかない。ロシア外務長官は、西欧が規定する国際秩序を認めないと、パラダイムの転換を宣言した。
西欧の致命的な戦略的ミスはモスクワと北京が連帯するようにしたことだ。西欧は、いかなる場合にもロシアと中国の戦略的連帯を阻止すべきだった。技術と金融中心経済の先進諸国は、自分たちの力を過信した。自分たちが資源と生産力を持つグローバルサウスをいつまでもコントロールできると考えたのかもしれない。しかし、永遠の支配・被支配関係などない。
西欧は、中東とアフリカでテロとの戦争を名分に多くの敵を作ってきた。フランスが主導してリビアを破壊したことや、シリアに対する無慈悲な制裁は、米国の軍事力があるため可能だったが、西欧が本格的な軍事大国(ロシア)との対決では無力な姿を見せるや、中東のエネルギー富国などが動揺した。
米国のバイデン政府は「覇権国」としての余裕と寛大さ、風格がない。米国はこれまでサウジをはじめ、中東諸国に高圧的に対してきた。少しでも気に入らないと同盟に対しても「制裁」をかけ脅かしてきた米国を、多くの国々が警戒するのは当然だ。
中国がこのような隙を突き、サウジとイランの関係正常化を仲裁した。国際秩序が変わる大戦争が起きたと認知した国々が、戦争の結果によっては従来の同盟関係もすべて変わり得るということで、国家進路と戦略を全面点検するのは当然だ。西欧は中東で足場を失った。イスラエルは米国のない中東でサウジと関係樹立に努めている。
ロシアと中国の連帯は、瞬く間にBRICSとSCOとEAEUの連帯に発展している。脱ドルの動きは元に戻れない流れになった。米国の同盟国も米国債保有を減らしている。
来週発足する予定のBRICSの貿易決済システムは、西欧への債務に苦しんでいる国々には嬉しいニュースだ。個別国家としては問題が多くても、BRICSはすでに経済規模でG7を凌駕し始めた。サウジなど資源富国と人口大国がBRICSに合流する。国連も変化を強いられるかもしれない。
人口2400万人のアフリカの貧国ニジェールで7月26日、反植民地を掲げるクーデターが起きた。植民地宗主国だったフランスが既得権の維持に腐心しているが、21世紀の脱植民地の拡散は止められない。グローバルサウスはもはや西欧の支配対象でない。いわゆる「規範に立脚した秩序」を認めることを拒否するアフリカ大陸は、ロシアを友人と受け止めている。

限界に達した米国共和制

米国主導の秩序は西欧でも挑戦に直面するしかない。西欧の基準が問われ、西欧中心の国際秩序が変われば、韓半島の「1953年停戦体制」も変化を避けられない。共和制が限界に達した米国は、外部からの挑戦より、内部矛盾と脆弱性で混乱に陥っている。韓国も今こそ戦略的想像力が必要だ。同盟は安保に必要だが、同盟の約束を固く信ずるのは軽率だ。同盟の言葉(約束)と真実(現実)が違うときはどちらを選択すべきか。ましてや自国民にも無関心で守ろうとしない同盟に、自分の運命を預けるのは無謀な冒険にすぎない。

 

 

 

 

2023-08-15 3面
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