韓国のパスポートが、世界の「パスポートパワー」で3位にランクインした。
英国の国際交流企業「ヘンリー・アンド・パートナーズ」社が18日(現地時間)、今年第3四半期のパスポート指数を公表し、韓国のパスポートでノービザ入国できる国は189カ国であることがわかった。これは日本、フランス、スウェーデンなどと同等だが、192カ国(2位)だった昨年と比較すると、今年はわずかに減少した形だ。パスポート指数は、国際航空運送協会(IATA)の資料をデータ化したものだ。
韓国のパスポートパワーは10年前まで世界13位(2013年)にとどまっていたが、着実にランクを上げ続け、ついに世界トップクラスとなった。一方、北韓のパスポートでビザなし入国が可能な国は、韓国の5分の1程度のわずか39カ国だ。調査対象103カ国のうち、最下位圏となる97位を記録した。
一時期はパスポートパワー首位だった米国だが、指数は減少傾向を示している。米国のパスポートでビザなし入国できる国は184カ国で、パスポートパワーランキングでは8位だった。
光があれば影もできる。世界の多くの国にビザなし入国が可能な韓国のパスポートは、偽造のターゲットにもなっている。今年5月には中国人の男がパナマで偽造した韓国のパスポートを所持していたことが判明し摘発された。この中国人はパナマ経由で米マイアミに行く予定だったが、パナマ移民当局の取り締まりにより出発地へと戻された。
韓国のパスポートパワーにおける歴史は、国力の変遷史ともいえる。1980年代末に海外旅行の自由化が施行された当時は、韓国のパスポートは極めて不便だった。出入国の制限を受ける国が多く、事前にビザの取得が必須だった。
それは日本に入国する場合も同様だった。日本政府は韓国人個人の年間所得証明をはじめ、各種の関連書類を要求した。それらをそろえるには、各書類ごとに1週間を要するのが常だった。
韓国国籍の在日韓国人も不便を強いられた。特に学生の場合、修学旅行で海外に行く際は韓国のパスポートを所持しているため、別途で税関審査を受ける必要があった。これにより、「自分が韓国人であることを自覚した」「自分は日本人とは違う存在なんだ」と実感するケースも少なくなかった。
2000年代以降、韓国の国力は飛躍的に向上した。サムスン、現代、LGなどが世界的企業として認められ、最近では「韓流」による文化的影響力も拡大した。パスポートパワーも、こうした時代の潮流に足並みをそろえつつ強化されていった格好だ。
外交部によると、5月末現在で韓国が外交関係を樹立した国は世界192カ国(北韓は159カ国)であり、在外公館の数は日本国内の10カ所を含む167カ所(北韓は53カ所)に達する。
(ソウル=李民晧)
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