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2023年06月06日 10:54
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張本勲氏発言に韓日で賛否両論
朝鮮日報インタビュー

 プロ野球の巨人やロッテなどで活躍した往年の名選手、張本勲氏の朝鮮日報でのインタビュー記事が韓日間で話題になっている。張本氏は、韓国の歴代政権が日本に対して繰り返した「謝罪しろ、金を出せ」という要望について、「(同胞として)恥ずかしい」と言い切った。これまで祖国と日本のはざまで苦悩してきた在日韓国人の本音を吐露した発言として、韓日両国で波紋を広げている。

 掲載されたのは5月12日発刊の朝鮮日報紙。成好哲東京支局長のインタビューに対して、自身の被爆体験やプロ野球選手としての苦闘を語ったうえで、記者からの「韓国を恨んだことはないのですか」という問いに、「言ったら大変なことになるから誰も言わないけど、私は日本人ではなく在日韓国人だから、(韓国は)私の祖国だから言いますね」と慎重に言葉を選んだうえで、意を決したように「いつまで日本に『謝罪しろ』『金を出せ』と繰り返さなければならないのですか? 恥ずかしいです」と苦言を呈し、「日本と対等に手を取り合い、隣国としてやっていけばいいのではないでしょうか」と持論を述べた。

在日一般の考え代弁

 民団団員の一人は「一般的な多くの在日韓国人の考えを代弁したものだ」と賛同の意を表している。
張本氏の出身地である広島の民団広島地方本部の李英俊前団長は「張本氏は在日韓国人を代表しているわけではないが、韓国でも知名度の高い人物の発言なので、強い影響力があるだろう」と賛否は明らかにしないが、一定の評価をしている。
一方で、政治的に微妙ともいえる発言に複雑な胸の内を伺わせる人もいる。民団広島原爆被害者対策特別委員会の権俊五委員長は「首脳のシャトル外交が復活し、両国は未来志向に向かっている。不用意な言動で関係を壊したくない」ので、「ノーコメント」と多くを語らない。
北韓の強制収容所を題材にした3Dアニメーション映画『トゥルーノース』を制作した映画・漫画などのプロデューサー、在日韓国人4世の清水ハン栄治氏は「韓国は日本の過去の支配に怒り続けているのではない。過去をなかったかのように、日本が振る舞っていると感じられるので、不満を募らせて謝罪を要求する。日本側がまた謝罪かと辟易して、新しい歴史解釈で歪曲するというスパイラルに陥っている。個人的にはもういいかげん、仲良くやってほしいと思っている」と文化人らしい独自の表現で、張本氏の意見に賛意を示している。

政治利用を懸念

 日本人で評論家の三浦小太郎氏は「尹政権になり、日韓で雪解けムードになったことが発言を後押ししたのだろう」と分析する。
一方で、「政争の具になっているのではないか。前政権時代では言論界は日本批判一色だったが、政権交代して情勢が変わった。保守系言論機関の朝鮮日報も、以前であれば掲載しなかったかもしれない。もし政治利用しているのであれば、張本氏に失礼なのではないか」としたが、「偉大なスポーツ選手として両国民の間で知名度が高いうえ、弁が立つので人々の耳目を集めやすい。日本の大手メディアで発言していれば、もっとインパクトが大きかったのではないか」とみている。

未来志向の追求を

 延世大学在学中に日本へ留学し、日本大学准教授などを歴任したソウル在住の国際法学者、金恵京氏は、実際に会った張本氏の印象を「笑顔でおおらかに迎えてくれ、韓国人らしさを強く感じた」と振り返る。
韓国国内での反響を「朝鮮日報の購読者や保守系ネットユーザーは肯定的に捉えている。その一方で、リベラル系ネットユーザーには不評」という。保守とリベラルで世論が分断されている韓国の現状を踏まえ、「発言の真意は『先進国である韓日の対等な関係形成』だと思うが、尹政権支持を明確にしたため、国内の分断に埋もれてしまったようだ」と、世間一般で誰もが口にする話題とはなっていない。
改善が進む韓日関係への影響については「張本氏の真意と異なり、日本国内の一部の人々に対し『もう過去を反省する必要はない』という誤解を与えかねない」と危惧している。
これまでに日本政府が謝罪や談話を発表した後に、それを否定するかのような発言が一部の関係者から度々繰り返されたためで、「歴史上の事実に対する国際的な評価を日本が受け入れる必要がある。そのうえで謝罪や補償ではない、未来志向の関係を追求することが最善だと思う」と提言している。

朝鮮日報に掲載された張本勲氏インタビュー(日本語版)抜粋
「いつまで日本に『謝罪しろ』『金を出せ』と繰り返さなければならないのですか? 恥ずかしいです。当時は弱肉強食の時代で、韓国は弱かったから国を奪われました。絶対あのようにやられてはいけなかったのに…。これからは韓国もプライド(自負心)を持って日本と対等に手を取り合い、隣国としてやっていけばいいのではないでしょうか」
さらに、「(反日などと)そんなことを言う人たち、いい加減にしてほしいですね」「文在寅前大統領が隣国(日本)を敵に回した時、私たち在日韓国人はとてもつらかったです。その分、今、韓日関係の雪解けを進めてくれている尹錫悦大統領には感謝しています」と語った。「尹さんはやはり格好いいところがあります。韓半島の真の男です」「日本の岸田文雄首相も歴史問題について『心が痛む』と言いました。『謝罪する』という言葉は使いませんでしたが、(在日韓国人の)私には理解できます」と話した。

 ■張本勲(はりもと・いさお) 1940年6月広島市生まれ。在日韓国人2世。本名は張勲。プロ野球の東映、巨人、ロッテなどで外野手として活躍。首位打者7回、通算成績3085安打、504本塁打。90年野球殿堂入り。2007年韓日のスポーツ発展に貢献したとして、韓国政府から民間人に贈られる最高勲章「無窮花章」を受章。

 

2023-06-07 4面
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