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最終更新日: 2024-05-01 13:21:33
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2023年05月16日 10:05
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古代史万華鏡クラブ

解体修理落慶法要は4月21~25日に行われ、多くの人が祝いに集まった。白鳳、天平時代の舞楽と能舞は1300年前の建立の華やかさを思わせた
 韓日古代史の謎の連載をしているが、今回だけはテーマから外れる。この4月末、平成23年から12年間にわたり行われていた奈良・薬師寺の東塔解体修理が完了、祝いの法要の招待状が届いたので行って来た。きっと1300年前にも同じような華やかな法要があったはずだ。六重に見える巧みで美しい造形の三重塔を見ながら日本に伝わった仏教について考えた。
東西二つの塔を持つ薬師寺は天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気治癒のために発願し、698年に藤原京に創建。平城京遷都に伴って718年に現在の西ノ京に移転したが新たに新築したらしい。だから薬師寺は二つあった。今は礎石しかないが橿原市の方を本薬師寺、今の寺を平城薬師寺と呼ぶ。
平城薬師寺の西塔や金堂は室町時代に筒井順興の乱で丸焼けになり、西塔が再建されたのは1981年のこと。伽藍の中で東塔だけが1300年変わらず立ち続けてきたというわけだが、心柱が根元から腐食、危険な状態であることが判明。完全解体する形で大修理が実施された。
改めて説明するまでもなく日本に仏教を伝えたのは百済だが、初期仏教は高句麗の影響も大きかった。7世紀の推古朝末期になると新羅との関係が密接になり、多くの学問僧が渡り学んだ。
日本仏教の重要な部分は遣唐使が学び伝えたというのも一般常識である。それも事実だが、遣唐使は200年間に実行15回、無事帰国できたのはたった8回(諸説あり)。生還率は5割、留学生のうち名前が判明しているのはたった27名だけという研究がある。仏教文化が花開いた天武・持統の白鳳時代にはピタリと途絶え、逆に壬申の乱後から30年間には日本から10回以上、新羅からは20回以上の使節が往来している。もっぱら新羅との交流で仏教を学んだ。
日本に大陸文化を伝えた百済は中国の長江あたりの呉と密接な関係があり、漢字や仏教を呉の音(呉音)で学んだ。日本はその百済から漢字を教えてもらったため呉音で読むことになった。今でも仏教のお経のほとんどは呉音で読むのだという。坊さん読みという。
呉音と漢音をわかりやすく言うと、例えば”正直”は呉音では「しょうじき」、漢音では「せいちょく」となる。東京の”京”は漢音では「けい」となる。日本語がややこしいのはそんな背景があったからだ。
新しく開かれた平城京には飛鳥や藤原京から続々と寺が移り、薬師寺、大安寺、元興寺、興福寺の平城四大寺が甍をつらねた。東大寺や唐招提寺は少し後のこととなる。これらの官寺は葬祭せず、墓、檀家も持たず、今で言う学問センターで、教義を6種類に分けて研究した。
三論宗(元興寺・大安寺)、法相宗(薬師寺・興福寺)、華厳宗(東大寺)、成実宗(元興寺・大安寺)、倶舎宗(東大寺・興福寺)、律宗(唐招提寺)である。今の宗派とは違い専攻する学問で、各宗の僧はお互い自由に行き来し勉強していた。これらの教義は宗教性には乏しく、むしろ哲学や思想であり、簡単に説明するのは難しい。
今は大池という名だが、私と同じ名の池というのが薬師寺近くにある。万葉集や枕草子でも詠まれている勝間田の池がここらしい。池から見える薬師寺の風景は奈良時代そのままのようだ
 日本人がよく口にする般若心経も宇宙とは何か、存在とは何か、という哲学書であることを知っているだろうか。当時の貴族がこの思想を理解したとは思えない。国家鎮護を祈らせ、自身は現世利益を願ったことだろう。死後の極楽往生を願う思想はもっと後のことだ。
仏教伝来以来、平安中期の天台座主・良源に至る500年近くの流れは朝鮮系渡来人の僧が主導者として仏教文化を築き発展させたといえる。井上光貞氏が渡来系名僧の名をあげる。道慈・智光・道昭・義淵・行基・良弁・勤操・慈訓・護命・行表・円珍・最澄(など合計26人)。
今回訪ねた薬師寺は法相宗だが、その開祖は道昭。道昭は中国で三蔵法師として知られる玄奘に直接教えを受けたのち日本に帰り、日本法相宗をひらいた。
聖武天皇下、仏教政策を取り仕切った玄昉・良弁という高僧を育てた義淵も法相宗であった。
義淵に異質の弟子がいた。行基である。当時、官寺の僧が民衆に布教することはタブーだった。民衆の救済より国家に奉仕する国家仏教に飽き足らず、民間に出て49もの院を作り橋を架け池を作り、困窮した民衆のために無料宿泊施設を作るなどの社会事業を行った。このような事業と土木工事は道昭に始まり、朝鮮渡来系僧の特色の一つとして受け継がれた。
再び蘇った東塔の法要に参加しながら、薬師寺に学び、境内を歩いていたであろう、行基の姿を思い浮かべた。
再建法要とタイミングを合わせるように、5月、新型コロナは5類に移り静まった…。

2023-05-17 6面
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