1年後に総選挙を控え、野党が総力を挙げて尹錫悦政府の無力化に出た。李在明の「共に民主党」は反日政治攻勢と同時に、国会で反憲法的な悪法を量産し、尹大統領を揺さぶっている。尹大統領は4日、野党が通した糧穀管理法改正案を拒否、国会に再議を要求した。大統領の法律案拒否権は、国会が絶対優位の現行憲法では国会の暴走に対する唯一の牽制装置だ。この混乱した政局の中、極左の進歩党候補の姜聖煕が5日に行われた国会議員再補欠選挙(全州乙)で李在明党と民労総の全面支援を得て当選した。進歩党は、憲法裁判所が解散を命じた統進党の後身。国情院と警察が捜査中の反国家団体「自主統一民衆前衛」スパイ団事件のスパイが進歩党党員だ。
李在明党は、国会の多数議席をもって尹政府の政策と法案は徹底に遮断し、「4・3事件処罰法」のような反憲法的で国家財政を破綻させる法案など発議、量産している。このような極端な怠業は来年4月の総選挙まで続くはずだ。
尹大統領が拒否権を行使した糧穀法改正案は、コメの生産量が需要量及び予想生産量より3~5%多く生産されるか、価格が5~8%以上、下落したときは政府が超過生産量全量を義務的に買い上げるようにした内容で、李在明党が先月の23日、単独通過した。
これは来年の総選挙を狙った極端なポピュリズム法案で、農政に混乱を招く違憲的法だ。大統領が拒否権を行使した法案は、国会が在籍過半数の出席で3分の2で議決すれば、法律として確定する。盧武鉉も大統領在任中、6回拒否権を行使した。この状況で、憲法裁判所が2014年12月、解散させた「統進党」が復活した進歩党が9年ぶりに、国会に進入するに成功した。全州乙の再補欠選挙で当選した姜聖煕は、内乱扇動で9年の刑を服役した主思派「京畿東部連合」やRO(革命組織)の首魁・李石基の後輩で、極左「民労総」委員長の梁ギョンスとともに活動、今回の選挙で民労総の全面支援を受けた。「京畿東部連合」と緊密な李在明が今回、全州乙に候補を出さない方法で進歩党候補を支援した。
姜聖煕は当選確定後、選挙事務室の外壁に「ありがとうございます民主党の譲歩」という大型プラカードを掲げた。姜聖煕は選挙運動中、李在明に対する政治弾圧の中断を要求する一人デモをした。
これで、李在明や李在明党は、来年4月の総選挙での公認基準と方向を明確にした。来年の総選挙で京畿東部連合と関連する人々を大挙民主党候補として公認し、進歩党候補が優勢な地域では公認しないことで、当選を助け、院内交渉団体まで構成できるようにするのだ。共産党の統一戦線戦術を基本とする彼らとしては、当然の戦術・戦略だ。12年の19代総選挙で、民主統合党(89席)の韓明淑が、民労総を媒介にして統進党(7席)の李正姫と政策連帯をしたことが再現される。当時、民統党は、韓・米同盟の解体、生産手段と所有の公有、財閥の解体などを主張した統進党の要求を受け入れ、韓米FTA無効化、済州海軍基地建設中断などを合意した。
李在明を擁護する李ヘチャンらが、統進党と連帯した勢力だ。李在明党(共に民主党)は当時よりも左硬化し、今は当時よりも切迫して李在明を守っている。来年の総選挙を契機に、民主党が進歩党(統進党)化すると覚悟すべきだ。国情院が捜査中の反国家団体「民衆自統前衛」スパイ団が進歩党員だが、当選した姜聖煕は国会の国防委に割り当てられそうだという。安保を放棄した国会だ。事実上の内戦が始まった今は、反国家団体化した「民労総」や、これを庇護する「共に民主党」の解散まで覚悟すべきなのに、与党の「国民の力」やメディア、知識層には危機感が全くない。与党の新任院内代表の尹在玉は、平壌の指令を受けてきた李在明党と「協治」をすると言った。このような政党に内戦での勝利は期待できない。
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