6月に政府組織として新設される「在外同胞庁」の課題を探るフォーラムが15日、開かれた。世界韓人ネットワーク(金永根会長)と国民の力・金熙坤議員らが出席するなか、国会議員会館第3セミナー室で「在外同胞庁新設を望む」フォーラムを開催した。会場では、730万人に及ぶ在外同胞社会に関連し、様々な政策提言が出た。
李宗勲(時事評論家)
「同胞庁の初代庁長は、その歴史性や象徴性を踏まえて在外同胞から抜擢されるのが望ましい。上層機関である外交部は、外国籍同胞に向けた支援をめぐる外国政府との外交摩擦を懸念し、同胞庁の設立に反対した。また、同胞社会では職業外交官が同胞業務を担うことに対する不信感がぬぐえない状況だ。したがって同胞庁長は、行政経験のある在外同胞が望ましい。在外同胞庁の所在地として最も適しているのは同胞が希望するソウルで、中でも鉄道と航空の発着起点でもあるソウル駅の近くがベストではないか」
李民晧(本紙ソウル支社長)
「同胞庁は、同胞社会をリードする人材育成と次世代教育を確実に実施できる基盤づくりを最優先政策とすべきだ。先行課題としては、教育政策の統一性を担保するために教育部が担ってきた在外韓国学校と在外教育院の管理・支援、同胞財団の在外ハングル学校事業を同胞庁に統合・移管することだ。
また、他国の同胞社会と異なり、在日同胞社会は歴史的背景など様々な特殊性があるだけに、在日同胞のための政策を樹立し、彼らの声を反映し得る在日同胞専門家の同胞庁職員を抜擢する必要がある。現在、事業費に用途が制限されている民団の政府支援金については人件費や経常費も承認するのが現実的だと思う」
李泳浩(元駐イエメン大使)
「外交部で在外同胞関連業務や北京総領事を務めるなど、同胞政策にかかわってきた経験がある。同胞庁では、世界の韓人ネットワーク強化に向けた様々な課題が取りざたされるだろう。母国と同胞社会の共生、海外における韓国人社会の発展と居住国での地位向上、同胞社会ネットワークを活用した海外進出の拡大、人口の壁を補うための複数国籍対象の拡大などが挙げられる」
この日のフォーラムで、ベトナム・ホーチミンの韓国学校校長を務めたキム・ウォンギュン氏は、緊急災害救援基金の造成、小・中学生の在外国民を対象とした「段階的義務教育」の実施を提案。キム・ソヨン前世界韓人言論人協会長は「韓国に逆移民する在外同胞に向けた就職および定着支援プログラムを作る必要がある」と主張した。
 | 15日、国会で開かれた在外同胞庁政策フォーラム | |