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2023-05-30 12:46:51
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2023年03月23日 10:49
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【映画】『不思議の国の数学者』
脱北した天才数学者と高校生の交流
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学問の自由を渇望して脱北した天才数学者イ・ハクソン(チェ・ミンシク)は、自分の身元を隠したまま上位1%の秀才が集まる私立高校で警備員として働いていた。一方、特別枠で入学したハン・ジウ(キム・ドンフィ)は数学の成績が上がらず、担任から転校を薦められていた。ひょんなことからハクソンの正体を知ったジウは、数学を教えてほしいと頼み込む。
正解だけを探すジウに「正解より重要なのは答えを探す過程だ」と諭すハクソン。ジウと知り合って少しずつ心を開いていくハクソンだが、思いがけない人生の転換点を迎えることになる。
『オールド・ボーイ』(2003年)、『新しき世界』(13年)など、圧倒的な演技で知られるチェ・ミンシクが3年ぶりにスクリーンに登場。パク・ドンフン監督は本作が初の長編映画だ。『SEOBOK ソボク』(21年)のパク・ビョンウン、『毒戦 BELIEVER』(18年)のパク・ヘジュンが脇を固める。ジウ役のキム・ドンフィ、何かとジウの世話を焼く同級生ボラムを演じたチョ・ユンソの演技も光る。
ハクソンは「オイラーの定理」をもとに数式の美しさを説く。数学者が魅入られる美しさとは別に、数学に精通していたというレオナルド・ダヴィンチの例を挙げるまでもなく、数学と芸術の相性は非常に良い。とはいえ、円周率πをそのまま楽譜に見立てて奏でるメロディの美しさには、新鮮な驚きと感動を禁じ得ない。この「πソング」を聴くだけでも、本作品を見る価値は十分にある。
パク監督は、空間の演出にもこだわった。まず、無彩色のホワイトトーンで平面的に見せる教室は、成績や結果だけが重視される現実を表す。一方、ハクソンがジウに数学を教える「アジト」は薄暗く多少不気味ではあるが、不思議な物にあふれていて「どんなことも起こりうる」といった可能性が伺える。もう一つ重要な場所はハクソンとジウの家だが、これは二人の心理状態を表すものとして、どちらも乾いたような寂しさが漂う空間になっている。それだけに、ラストで二人が再会する空間の明るさが心にしみるのである。
公開=4月28日(金)、シネマート新宿ほか全国ロードショー。
公式HP=htto://klockworx-asia.com/fushigi/
2023-03-24 6面