 | ガールズグループ「Floria」(フローリア) | ■世界各地からアイドル目指す
防弾少年団(BTS)がグループとしての活動を休止した後も、K―POPアイドルの活躍は目覚ましい。YouTubeのチャンネル登録者数が8000万人達成という新記録を打ち立てたBLACKPINKは、セカンドアルバムを200万枚売り上げた。米ロサンゼルスで1日(現地時間)に行われた音楽授賞式「ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック」で、K―POP歌手としては初めてTWICEが「ブレークスルー・アーティスト」を受賞した。
2015年にデビューしたTWICEには3人の日本人メンバーがいることで日本のファンも多いが、以降、日本の若者がK―POPアイドルを目指す動きが顕著になっていく。本紙は19年に「K―POPに夢を託す若者たち」と題して、全国から集まった若者約50人が合宿生活をしながら練習に打ち込む姿を取材した(19年9月4日付)が、その翌年にデビューした日本人は18人を数えた。
この現象はもちろん日本人だけに限ったことではない。K―POP人気は世界各国に広がり、韓国の大手芸能プロダクションを中心に各国でオーディションを多数開催している。前述のBLACKPINKもタイやニュージーランド国籍のメンバーがいる。今やK―POPアイドルグループは多国籍を前提にしているとも言える。
 | 韓国で2020年にデビュー。スミ、イェスル、ソナ、ジョアラの4人組。ファンミーティングで来日した際に編集部を訪問。ソナは福岡県出身の日本人で、昨年からメンバーに加わった |
■広がる「K―POP留学」
「Kカルチャー研修ビザ」の新設など韓国政府の後押しもあり、本場韓国でK―POPを学びたい若者が増えている。クラシック音楽やバレエなどの芸術留学、フィギュアスケートやゴルフなどのスポーツ留学と同じように「K―POP留学」が当たり前の時代になっていくだろう。
アイドル志願者だけではない。K―POP界に身を置こうとする若者たちは、振り付け師やダンサー、映像・音楽クリエイター、スタイリストやヘアメイク、芸能事務所のスタッフと、その方向も様々に広がっている。
また、K―POPはメタバース(仮想空間)との相性も良い。韓国では実際に、現実には存在しないデジタルのアイドルがデビューしている。ITクリエイターがK―POPアイドルを創出することもできるのだ。世界の若者がK―POPから、自分の可能性を見出そうとしている。 |